Story.10 ページ11
合流地点でサーと緑谷と合流した後で報告を聞いた。
そこでミリオ先輩は「治崎には娘がいる」と言った。その子の名前が“エリ”だとも。
“壊理”
その名前を聞いた瞬間に心が凍った気がした。
その“エリ”が“壊理”ならば。
彼女が緑谷達と出会ったということは壊理が八斎會から逃げ出した事実を示している。
幼い子供……それも両親がいない子供が“逃げる”ことにどれだけの勇気を必要としていたか。痛いほど分かる。
それと同時に、壊理が逃げ出す決断をする……そこまで追い込まれた状況にいるのに助けられなかった。その事実が痛かった。
ミリオ先輩と緑谷と共に行動していれば強引にでも私が連れて帰ったのに。助けられたかもしれなかったのに。
……どうして私は大事な時に大事な場所に居ない。
そしてどうして、この場所に壊理がいない。
「……なんで、強引にでも兄貴から壊理を引き離してこなかったんですか。あの子怯えて震えてたんじゃないですか！？」
そう言いながら、私はミリオ先輩の胸ぐらを掴みあげた。驚いたようにこちらを見るミリオ先輩。
……緑谷やミリオ先輩が悪い訳では無いことは分かっていた。死穢八斎會の若頭に喧嘩を売るタイミングは今ではない。組織を潰したいなら若頭に今警戒されるべきではない。
頭では分かっている。ただの八つ当たりだってことも分かっている。けれど、八つ当たりをしておかなければやってられなかった。
自分の無力さに心が折れそうだった。
「ちょっとAちゃん！？」
バブルガールがミリオ先輩と私の間に入り、私をミリオ先輩から引きはがす。
「治崎に娘がいるという話は事実か。」
冷静になりきれず、肩で息をする私にサーが静かな声で聞いた。その声を聞いて少し冷静になるべく深呼吸をして首を横に振る。
「兄は結婚すらしてませんし、子供もいません。
あの子は……壊理は、親父さんの娘の子。私の育ての親の孫娘です。
……私は、彼女を助けるためにヒーローを目指しています。おそらく兄は、彼女を使って実験を行っています。」
私がそう言うと、次に真っ青になったのはミリオ先輩と緑谷の表情である。
だが、そんなミリオ先輩と緑谷の表情に気づいているのかいないのか。
私達はサーの指示によりそれ以上その場で話をすることもなく事務所へと戻ったのである。
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ニナ(プロフ) - サーが死ぬところガチ泣きしました。ありがとうございます (2021年3月15日 20時) (
レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
Ama(プロフ) - ほんとに泣きました、アニメ見て泣いたのですが、本当に良かったです、！！小説？書くのとてもお上手ですね！！ほんとにここまで泣いたの初めてです、 (2021年1月8日 3時) (レス) id: 06070d74b0 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ぴのさん» いえいえ！！細かいところまで読んでくれてるんだなーって嬉しかったです！！これからもよろしくおねがいしますね！！ (2019年1月28日 1時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 近藤。さん» ごめんなさい！原作しっかり読んでませんでした……完全に早とちりです……本当にすみません!! (2019年1月28日 1時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ぴのさん» すみません、バブルガールやサーの事務所のメンバーがミリオンと呼んでいるのはわざとです。15巻辺りを読み返していただければ原作でもそう呼んでいる描写がありますので見てみてください！ご指摘ありがとうございました！ (2019年1月28日 0時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年11月30日 12時
