Story.31 ページ32
「えっ……え？」
ほんの一瞬の間で知らない場所にいた。
身体は動かないけれど意識はある。
薄らと目は開けることができた。けれど真っ暗だ。
……なにこれ。
「返せよ！！」
そんな緑谷叫び声がくぐもってどこか遠くから聴こえた。
今度は私のメンタル的なアレではない、物理的に、だ。
まさか……拉致られた？あの一瞬で？どうやって？
私が入っているのは球体の様だった。それがコロコロと転がされるものだから平衡感覚が狂う。酔いそうだ。
うーん、どうしたものか。
出ようにも身体は動かないし。
どれだけ時間が経っただろう。もう仕方が無いか、と考えるのを諦めようとしたその時、周りの球体が弾け飛んだかと思えば身体が動く。
そして目の前にいたのは爆豪と私に手を伸ばす緑谷。
隣には爆豪。掴まれている首。黒いモヤ。ワープ。
ほら、まただ。こうやって私の居場所を傷つけ邪魔をする。
「ヴィラン連合……っ！」
連れていかれる。せめて爆豪だけでも助けよう、そう思ったが遅かった。
あのたった一瞬で、もう私たちの身体は林間合宿場にはない。
ドサッと倒れ込んだのはフローリングの上だった。
すぐに体制を立て直し、周りの状況を確認すると……囲まれている。
しかも、目の前にいるのは椅子に拘束された爆豪。
分かりやすい、人質。
「やァ治崎さん。ショッピングモールでは世話になったね。」
「死柄木……！」
「おっと、今は戦いたいわけじゃない。君としたいのは交渉だ。」
「チッ……。人質取っといて何が交渉だよ。脅しの間違いだろ。」
「人質？ああ、爆豪くんのことか！違うよ、彼はスカウトするために連れてきただけさ。」
「私には交渉、彼にはスカウト。腑に落ちないね。」
死柄木弔は幼稚だが馬鹿ではない。横目でチラッとトガちゃんを見ながら話が通じるって素晴らしい、なんて思ったことは内緒である。
「手短に要件言いなよ」
「話が早くて助かるなァ。ヴィラン連合にヒーラーが欲しい。」
「ヒーラー……ねぇ。私の“個性”が欲しいなら“先生”に頼んで奪えば？私の素性調べてんでしょ？私がヴィラン連合とオールフォーワンが絡んでることに気づいてないとでも？ 」
「オイオイ話を逸らすな、今は先生は関係ない。」
冗談じゃない、私にヴィラン連合に入ってほしいとでも言うつもりか。
残念ながら私はここ数日でヴィラン連合が大っ嫌いになったばかりだ。
私の中のスイッチが、入った。
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近藤。(プロフ) - 名無しさんさん» お褒めいただき光栄です！これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！！ (2018年9月28日 17時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - めっちゃ面白いですっ！！更新頑張ってくだせぇ！！ (2018年9月28日 15時) (レス) id: b36dff7859 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ひさめさん» ほんと、ありがとうございます！治崎が出た瞬間久々に本気で叫んだので同じアパートの人達には相当迷惑かけたなー、と反省してます笑 リクエスト小話ですか！良いですね、やりましょう！！そうと決まれば準備してきます！！楽しみにしておいてください！ (2018年9月16日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - ご無理のない範囲での更新を楽しみにしています(^^) (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - おめでとうございます！よかったですねオバホ！(笑)企画ありがとうございます〜！！すごく私得というだけなのですが、番外編ということで小話リクエストなど…！は、どうでしょうか！流れで本編裏話などが聞けたらとっても棚ぼたなのですが…… (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年7月26日 0時
