Story.26 ページ27
何でヴィランが……。
万全を期して、この場所は私たち生徒と教員、そしてプッシーキャッツしか知らないはずだ。
となれば、一つしか情報を知り得る方法はない。
＿＿＿＿内通者。
パッと緑谷の方を見ると彼は真っ青な顔で私を見ていた。
私はどうして今まで気が付かなかった。
緑谷は賢い、それは分かっていたはずなのに。
緑谷の目の前でステインを治した私を。
ヴィラン連合のトガヒミコと繋がりのある私を。
死柄木弔をあの場から逃がした私を。
……あの時から、緑谷が私を内通者だと疑う状況証拠が揃いすぎていた。
けれど、優しい緑谷はそれでも私を信じようとしていた。
しかし、今、ヴィラン連合の襲撃によって確信に変わったのではないか。
私がヴィラン連合にこの場所を教えたのではないか、と。
もちろん、そんなことは決して無いのだけれど、この状況から私の無実を弁明する方法を、私は知らない。
悔しい、自分で蒔いた種だ。下唇をギュッと噛み締める。
けれど、この状況、実際には内通していない私には奴らの狙いが分からないのだ。
考えろ。
林の中はどうなっている。ヴィラン連合の襲撃となれば、きっとどこかにトガちゃんがいる。トガちゃんはほぼ確実にヴィラン連合に入っていると見て間違いないからだ。あの戦闘力、思考の狂い具合。
死柄木が仕掛けようとしているのが私たちへの警鐘なら、まず間違いなく即戦力として彼女を使うだろう。
彼女からなら、私はヴィラン連合の作戦を聞き出せるかもしれない。
やれることを、やらないと。
私が林の方へ駆け出そうとすると腕を掴まれた。
振り返ると私の腕を掴んでいるのは緑谷だ。
「どこへ、行くんだよ！！」
そう言って彼が私を見る目は完全に敵を見るそれだ。
額を冷や汗が伝った。私は自分が敵であると言われることは……そうであるという目で見られることには慣れていたが、それを否定したことは人生で一度もなかった。
どう言えば彼に伝わる。
言ったところでどうせ信じてもらえない。
証拠が揃いすぎている。
私が彼の立場に立てば、きっと同じように私のことを疑う。
怖い、怖い、怖い。
緑谷の正義溢れるその真っ直ぐな怒りが、怖い。
しかし、目はすぐに覚めた。
視界の隅に入った血塗れのピクシーボブ。
この場で彼女を治せるのは私しかいない。
私は緑谷の腕を振り切って彼女の元へと駆け出した。
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近藤。(プロフ) - 名無しさんさん» お褒めいただき光栄です！これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！！ (2018年9月28日 17時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - めっちゃ面白いですっ！！更新頑張ってくだせぇ！！ (2018年9月28日 15時) (レス) id: b36dff7859 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ひさめさん» ほんと、ありがとうございます！治崎が出た瞬間久々に本気で叫んだので同じアパートの人達には相当迷惑かけたなー、と反省してます笑 リクエスト小話ですか！良いですね、やりましょう！！そうと決まれば準備してきます！！楽しみにしておいてください！ (2018年9月16日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - ご無理のない範囲での更新を楽しみにしています(^^) (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - おめでとうございます！よかったですねオバホ！(笑)企画ありがとうございます〜！！すごく私得というだけなのですが、番外編ということで小話リクエストなど…！は、どうでしょうか！流れで本編裏話などが聞けたらとっても棚ぼたなのですが…… (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年7月26日 0時
