Story.24 ページ25
訓練は早朝から始まる。
一通り軽いミーティングをした後に、各自で例の死ぬほどキツイ訓練をする。
私はと言えば相澤先生のご達しで５分でギリギリだった構造暗記時間を2分30秒……つまり半分に絞って無理やり実行された訓練。
しかも今日は……
「また建物……。車とかって聞いてたけど嘘じゃん。
しかも……ナニコレ。」
パラパラとページを捲って行くにつれ私の顔も真っ青だ。高層ビルのエレベーター構造。電波塔に学校etc……。
変わり種ばっかりだ。
元々、自分の住んでるアパートの構造を変えるのも面倒に感じるほど建物類は疎くて苦手。それを見越してこのメニューならラグドールと相澤先生の連携は恐ろしすぎる。
ああ、もうやるっきゃない。
覚えて作って覚えて作っての繰り返し。
頭も身体もクタクタになったし、半分の時間で終わらせるのはやはり不可能だった。
結局、3分の2の時間まではどうにか絞れた私だったが相澤先生には「遅い」と一喝された。
しかも、その後に行われた“別メニュー”のキツさも尋常ではない物だった。こちらはどちらかというと精神的な意味で、だ。
「……これ、なんです？」
私に渡されたのは先ほどの建築bookの数倍の厚みと冊数の、本。
中をペラペラと捲ると……どうにも見覚えがある。
「医学書……ですか。」
「それ1日で詰め込め。」
「これ……ですか？」
医学書なら昔から死ぬほど読み込んでいる。何をいまさら……と思ったのが顔に出ていたらしい。
「他人に個性を使うにあたって、お前に足りないのは知識でも努力でもない。経験と自信だ。
まずはお前自身が持っている“勉強した”自信になる知識の総詰めを今日しとけ。
明日から訓練時に出たA組B組の負傷者を治して回ってもらう。」
それを聞いて、ヒヤリとした感触が背中を伝った気がした。
人を治すのは……やはり、こわい。
「で……でも、切り傷とかで人を分解するのは……」
「“全身分解しないと治せない”ってのはお前が自分で掴んだ経験則か。」
「……え？」
「船とか車を部分的に治す時、全部1回分解しないと出来ないのか。
そもそも、お前の言う兄貴とお前は“全く同じ”個性なのか。
合理的に行こう、頭を使え。」
そう言うと相澤先生は他の生徒のところへ行ってしまった。
兄貴と“全く同じ”個性かどうか……？
当たり前だが……答えは“ＮＯ”だ。
頭を、使え。
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近藤。(プロフ) - 名無しさんさん» お褒めいただき光栄です！これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！！ (2018年9月28日 17時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - めっちゃ面白いですっ！！更新頑張ってくだせぇ！！ (2018年9月28日 15時) (レス) id: b36dff7859 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ひさめさん» ほんと、ありがとうございます！治崎が出た瞬間久々に本気で叫んだので同じアパートの人達には相当迷惑かけたなー、と反省してます笑 リクエスト小話ですか！良いですね、やりましょう！！そうと決まれば準備してきます！！楽しみにしておいてください！ (2018年9月16日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - ご無理のない範囲での更新を楽しみにしています(^^) (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - おめでとうございます！よかったですねオバホ！(笑)企画ありがとうございます〜！！すごく私得というだけなのですが、番外編ということで小話リクエストなど…！は、どうでしょうか！流れで本編裏話などが聞けたらとっても棚ぼたなのですが…… (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年7月26日 0時
