Story.23 ページ24
「明日までって……そういう大事なことは合宿来る前に言っとけよ先生。」
そう思ってボソッと口に出してみたが独り言に終わる。そりゃ、相澤先生にこんなこと直接言える人がいるならそれはきっと勇者だ。
クラスで一番口が悪いであろう爆豪にも無理だろう。
はぁ……と深いため息をつく。雄英高校に通い始めてから、ため息の回数が増えたのは気のせいではないはずだ。
恐怖症克服……ねぇ。
兄が人の傷を治すところは見たことがあるし、自身でも相澤先生や13号先生、そしてステインなど、数回は人に対して個性を使ったことがある。
けれど、兄が言うにはちょっとした傷を治すにも一旦全身をバラバラに分解しないと駄目だそうだ。
自分自身の怪我を何度も治したことがあるから分かる。全身を分解する痛みは言葉に出来ないほどの激痛だ。あんなのを度々人にしろって言われたって……そんなのできっこない。
この数カ月で私が他人に使った3例は、どれも怪我人本人が死にそうな怪我を負っていた時である。
怪我人を見殺しにするか、自分の個性で命を繋ぐか。その二択になれば、個性を使う覚悟が決まる。
私が他人に個性を使う時には“人を分解する”覚悟……“他人の命を背負う”覚悟を負った時だ。
だから私は緑谷が負うような、重症だけど命に別状はない大怪我、みたいなものは治したくない。
……けれど。
私はいつも兄に
怖いだなんだと弱音を吐いて、逃げてきたツケが今になって回ってきたのだ。
……昔からいつももそうだった。兄がやって出来なかったことはやらない。兄に倣った、できることだけをやってきた。
このままじゃダメだって、分かってる。
それじゃあ、兄貴は越えられない。……やってやるさ。
腹を括ると私は皆の元へ戻った。カレーを作って腹いっぱい食べて、風呂に入って、布団に潜り込んで寝た。
翌日、圧縮訓練の前に再び相澤先生に呼び出された。勿論、内容は決まっている。
「決めたか。」
「……決めました。Plus ultra!!ですよ。
やってやります、やります！！」
私がそう言うと相澤先生はニヤリと挑戦的な笑みを浮かべる。
「それじゃあ、昨日のメニューを半分の時間で終わらせろ」
「……は？」
「舐めてるのか、お前の恐怖症克服はプラスαだ。昨日までのメニューもキッチリやってもらうからな。」
「……鬼だ。」
やっぱり相澤先生はおっかない。
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近藤。(プロフ) - 名無しさんさん» お褒めいただき光栄です！これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！！ (2018年9月28日 17時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - めっちゃ面白いですっ！！更新頑張ってくだせぇ！！ (2018年9月28日 15時) (レス) id: b36dff7859 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ひさめさん» ほんと、ありがとうございます！治崎が出た瞬間久々に本気で叫んだので同じアパートの人達には相当迷惑かけたなー、と反省してます笑 リクエスト小話ですか！良いですね、やりましょう！！そうと決まれば準備してきます！！楽しみにしておいてください！ (2018年9月16日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - ご無理のない範囲での更新を楽しみにしています(^^) (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - おめでとうございます！よかったですねオバホ！(笑)企画ありがとうございます〜！！すごく私得というだけなのですが、番外編ということで小話リクエストなど…！は、どうでしょうか！流れで本編裏話などが聞けたらとっても棚ぼたなのですが…… (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年7月26日 0時
