Story.22 ページ23
圧縮訓練では、マンダレイの指示の元で個々の個性を伸ばしていくのだが、訓練をするにあたって欠かせないのがラグドールの個性“サーチ”を使った弱点診断である。
そこで私が指摘された点は、
“複雑な物の形成速度が遅い”
“土やセメントなど専門個性相手に弱い”
“構造把握が遅い”
“知識量の不足”
主にこの4つ。そこで私がやらされているのは……建物作り。
相澤先生に数千ページはありそうな分厚い本を渡されて、中を見てみるとすべて建物の構造図。
建築業界用のガチのヤツである。
それを、一つの建物あたり約５分で構造を覚え、土を使って形成する。
その土はピクシーボブの個性でがっちり操られている土だ。
当然、向こうは力を抜いてやってくれているわけだが、私の個性が負けるので神経も体力もすり減っていく。
組み換えができるかできないかギリギリの土で無理やり構造を作るのだ。
こうして超苦労して作った建物が完成するわけだが、できた瞬間ピクシーボブに更地に戻され……はい、次。
これを永遠と繰り返していくわけだから建物の構造を覚え続けている頭も疲れる。
こうして過ぎた圧縮訓練が終わった夕方。土でドロドロの体操服。なんと、分厚かった本は1日分。
明日はまた別の本で今度は乗り物や機械類をやるらしい。さっさと寝て明日に備えたいところだ。
……しかし、まだ1日は終わらない。夕飯作りである。
今夜のメニューはカレー。
皆でカレー作りに取りかかろうとしたその時、
「治崎。」
私に声をかけたのは相澤先生。声の方向を見ると少し離れたところから私を手招きしていた。
「ごめん、先生に呼ばれてるから行くね。」
「なんかやらかしたのかオマエ」
「んー、どうだろ。」
相澤先生の所へ行くと、早速切り出された本題。
「お前、そろそろ自分の個性が怖いの治した方がいいだろ」
私の視線にピッタリ目を合わせてこちらを見る相澤先生に思わず後ずさりをした。
……唐突すぎだ。
「正直、俺はお前が個性の何処を怖がっているのか分からん……が、その個性は他人に使えるようになっておいた方がこの先ヒーローになるには確実に有利だ。
無理強いはしないが……お前自身この合宿で、その恐怖症を治す気があるなら明日からは別のメニューを考える。」
どうするか明日の朝までに決めとけ。
そう言い残して先生は合宿所内に戻っていった。
……ほんと、どうしよう。
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近藤。(プロフ) - 名無しさんさん» お褒めいただき光栄です！これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！！ (2018年9月28日 17時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - めっちゃ面白いですっ！！更新頑張ってくだせぇ！！ (2018年9月28日 15時) (レス) id: b36dff7859 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ひさめさん» ほんと、ありがとうございます！治崎が出た瞬間久々に本気で叫んだので同じアパートの人達には相当迷惑かけたなー、と反省してます笑 リクエスト小話ですか！良いですね、やりましょう！！そうと決まれば準備してきます！！楽しみにしておいてください！ (2018年9月16日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - ご無理のない範囲での更新を楽しみにしています(^^) (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - おめでとうございます！よかったですねオバホ！(笑)企画ありがとうございます〜！！すごく私得というだけなのですが、番外編ということで小話リクエストなど…！は、どうでしょうか！流れで本編裏話などが聞けたらとっても棚ぼたなのですが…… (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年7月26日 0時
