Story.21 ページ22
私は土魔獣の視界にできるだけ入らないよう気配を消しながら、皆より少し前を進み森を駆け回った。
魔獣の片付けは周りのヤツらに任せればいい。
幸い木登りができるので、辺りより少し高い木を見つけてはよじ登り合宿場までの経路を確認する。
そうして目で経路を描きながら森を抜けるための最短ルートを計算。
ロープで誘導線を引きながら、経路の途中に魔獣用にワイヤーで足止め用のトラップを敷いていく。
魔獣の足が止まれば轟や爆豪、緑谷などのアタッカーが次々と分解してくれる。
そうして魔獣の森をどんどん進んでいったのだが、
「……なにこれ、遠くない？走っても走っても出口が見えないんだけど」
想像以上に遠い上に土魔獣に邪魔されて思うように前に進めない。
結果としてお昼は抜き。それどころか合宿場に到着したのは日が陰りそうになった頃。夕方だった。
私は外的な傷は治してしまえるのでボロボロではなかったが、疲労感が溜まった手足と頭はどうにもならない。
森を抜けるとそこに立っていたのは相澤先生。
本当なら倒れ込んで寝てしまいたいところだがそういうわけにもいかない。
その日の夕食は流石にワイルドワイルドプッシーキャッツの方々が面倒を見てくれたのだが明日からは自分たちで作れとのお達しだ。殺す気か、マジで。
広い露天風呂に入り、リフレッシュした所で各々布団に潜り込んで眠りについた。
何故か異常に元気な子達が就寝時間までの短い休憩でトランプをしていたりしていたが、私にはそんな体力なんて残っていない。
布団に入るなり吸い込まれるように意識が飛び……そして翌日、ワイプシの方々と相澤先生によってたたき起こされ、早朝から体操服で外に整列しているのが今の状況である。
事の始まりは爆豪のソフトボール投げ。相澤先生の指示で彼が投げたボールは春と比べて殆ど飛距離が伸びていなかった。
つまり、入学してこの方、精神面や技術面、多少の体力面では伸びて強くなったつもりでいたが個性そのものは対して伸びていない。
それを
圧縮訓練である。
個々の個性に合わせた訓練をするらしいが、個性が個性の私はぶっちゃけ自分が何をさせられるのか言われるまでは分からなかった。
しかし、始まって分かった。見事に私も地獄絵図の仲間入り。
……想像を絶するキツさだったからだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 717人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
近藤。(プロフ) - 名無しさんさん» お褒めいただき光栄です！これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！！ (2018年9月28日 17時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - めっちゃ面白いですっ！！更新頑張ってくだせぇ！！ (2018年9月28日 15時) (レス) id: b36dff7859 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ひさめさん» ほんと、ありがとうございます！治崎が出た瞬間久々に本気で叫んだので同じアパートの人達には相当迷惑かけたなー、と反省してます笑 リクエスト小話ですか！良いですね、やりましょう！！そうと決まれば準備してきます！！楽しみにしておいてください！ (2018年9月16日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - ご無理のない範囲での更新を楽しみにしています(^^) (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - おめでとうございます！よかったですねオバホ！(笑)企画ありがとうございます〜！！すごく私得というだけなのですが、番外編ということで小話リクエストなど…！は、どうでしょうか！流れで本編裏話などが聞けたらとっても棚ぼたなのですが…… (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：近藤。
| 作成日時：2018年7月26日 0時
