Story.19 ページ20
「治崎さん！！逃げろ！！」
「私が今逃げたところで何の解決にもならないと思うけど。」
こちらを睨んでいた死柄木弔にニッコリと笑顔を向けると、彼は怪訝そうな顔をした。
「あなたは何でそんなにヒーロー……いや、オールマイトが嫌いなんです？」
「なんだお前」
死柄木弔の機嫌が悪くなる。雰囲気が悪い。キリキリと締め付けられていくのは緑谷の首。
「いや、何だか私と同じ匂いがしたから。
……自分が救われなかったからってヘソ曲げて社会に抗って、なにか得られるものがありました？
今すぐ立ち去ってください。1分後、私はヒーローと警察にあなたの事を通報します。
お互い、こんな所で揉め事起こすのは嫌でしょ？」
「待て待て。お前、何でそんなに普通なんだ。」
「別に。ここでアンタを捕まえたいわけでもないし。
ただ、アンタが緑谷の首を締めてることに対しては多少……いや、かなり頭にきてるよ。いい加減離してくれない？」
すると、彼はパッと緑谷から手を離した。咳き込む緑谷を横目に死柄木は大声で笑う。
「気に入ったよお前！！そうか、お前がトガの言ってた……」
「トガ？あの子から何聞いたの。」
「さぁね！ああ、楽しみだ！」
それだけ言い残すと死柄木弔はその場から去っていった。
「大丈夫！？緑谷！」
「僕は大丈夫……だから早く通報を！！」
「ダメだよ緑谷。まだ、約束した1分が経っていない。」
「そんなの……関係ないだろ！！」
「……私は死柄木に、1分逃げる時間をあげるからその代わりに緑谷を助けてってお願いしてたんだよ。遠まわしにだけどね。
現に緑谷はどうにか無事で、死柄木はここから立ち去った。
相手がヴィランだからって、約束は破るべきじゃない。」
時計の秒針を見つめる。一分がすぎると私はヒーローと警察に通報した。
即座に封鎖されたショッピングモール。出入りを禁じられその場にいた全員が調査を受けたがそこにはもう死柄木弔はいなかった。
言ってはいけない雰囲気を察したのか、私が死柄木弔と約束した時間通報しなかった事実は警察側には伝わっていないようだった。
ただ、その日を境に心なしか緑谷の私に対する態度が冷たくなった気がする。
そして私を見る目が、少しの躊躇と恐怖、そして軽蔑心を持ったものに変わった。
本人は顔に出さないように気をつけているようだったけど、見慣れたその目は知っていた。
過去、毎日のように浴びていた“敵”を見る目だったからだ。
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近藤。(プロフ) - 名無しさんさん» お褒めいただき光栄です！これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！！ (2018年9月28日 17時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - めっちゃ面白いですっ！！更新頑張ってくだせぇ！！ (2018年9月28日 15時) (レス) id: b36dff7859 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ひさめさん» ほんと、ありがとうございます！治崎が出た瞬間久々に本気で叫んだので同じアパートの人達には相当迷惑かけたなー、と反省してます笑 リクエスト小話ですか！良いですね、やりましょう！！そうと決まれば準備してきます！！楽しみにしておいてください！ (2018年9月16日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - ご無理のない範囲での更新を楽しみにしています(^^) (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - おめでとうございます！よかったですねオバホ！(笑)企画ありがとうございます〜！！すごく私得というだけなのですが、番外編ということで小話リクエストなど…！は、どうでしょうか！流れで本編裏話などが聞けたらとっても棚ぼたなのですが…… (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年7月26日 0時
