Story.14 ページ15
「せっかく氷で視界を遮ってもこちらに来られては意味がありません。
そこで治崎さん、あなたは氷壁が出来ると同時にゲートに向かって走ってください。脱出ゲートは相澤先生の向こう側にあります。だから誰かがそこに向かえば相澤先生は無視できませんわ。」
これがヤオモモの指示だった。
……私は相澤先生と対峙しながら両手にナイフを構えた。
左手側には普通のナイフを、右手には発目さん製ナイフを。
ゲートに向かうため初めから先生に背中を向けて走るのは危険だからである。
けれど、正面切って先生と戦闘するつもりはさらさら無い。
逃げ始めるキッカケさえあれば、作れば。
「あまりプロを舐めるなよ、治崎」
睨みをきかせた相澤先生がこちらに捕縛武器を伸ばす。先生が私を捕まえる時一番に狙う箇所はさっきと同じなら……手首。
わざと左手を捕まえやすい位置に持っていくと、面白いほど予想通り手首に巻きついた捕縛武器。キッカケを作る手はずは整った。
右手に持った特殊ナイフの柄にあるスイッチを入れるとバチっと音がする。そしてそのナイフを思いっきり捕縛武器に当てるとそこを伝わったのは高圧の電流である。
そう、これはナイフ型のスタンガン。
ヴィランを……人をできるだけ傷つけずにかつ無力化する手段が欲しいとサポート課に相談に行った時、発目さんが出してくれた案だった。
それは現在の私の戦闘スタイルには、まさに正解。
私のコスチュームも耐電性の高いものに作り変えてくれる等々、アフターサービスも万全である。
しかし流石はプロ。大人しく感電はしてくれなかったが、危険を察知した相澤先生が捕縛武器から手を離した。
……そう、厄介だった捕縛武器からだ。これで私の走りを遮るものは何も無い。
体力テストでは運動に有利な個性を使う人達に勝てなかったので私の記録は埋もれてしまって皆知らないかもしれないが、かなり運動神経には自信がある。
私は電子握力計を弄るだけで除籍を逃れた人間だ。
私は50メートル走、６秒切る。
つまり、自分で言うのもなんだけど超速い。
私は相澤先生が武器から手を離した瞬間に出口ゲートに向かってダッシュした。みるみるうちに距離を離しゲート付近まで行った私だったが、最後は再び武器を持ち直し追いかけてきた相澤先生に捕まってしまった。
だが、私の役目は終了。腕時計のアラームが鳴り響く。
3分。時間稼ぎ終了である。
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近藤。(プロフ) - 名無しさんさん» お褒めいただき光栄です！これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！！ (2018年9月28日 17時) (
レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - めっちゃ面白いですっ！！更新頑張ってくだせぇ！！ (2018年9月28日 15時) (レス) id: b36dff7859 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ひさめさん» ほんと、ありがとうございます！治崎が出た瞬間久々に本気で叫んだので同じアパートの人達には相当迷惑かけたなー、と反省してます笑 リクエスト小話ですか！良いですね、やりましょう！！そうと決まれば準備してきます！！楽しみにしておいてください！ (2018年9月16日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - ご無理のない範囲での更新を楽しみにしています(^^) (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
ひさめ - おめでとうございます！よかったですねオバホ！(笑)企画ありがとうございます〜！！すごく私得というだけなのですが、番外編ということで小話リクエストなど…！は、どうでしょうか！流れで本編裏話などが聞けたらとっても棚ぼたなのですが…… (2018年9月16日 21時) (レス) id: 3ec8a39d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2018年7月26日 0時
