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『なんだ、この人の夢の中は…！』
魘夢の駒の一人である少年は、ある少女の夢の中で震えた。
視界は不鮮明かつぐるぐる目眩がして、息がしづらく、おまけに満足に動くこともままならない。
まるで、自分を取り巻く空気そのものが少年を圧迫しているようである。『彼女の夢』が少年を拒否していた。
思わず意識を失いかけたところを何とか持ちこたえ、少年は夢の中を練り歩く。薄霧がぼんやりと包み込んだその夢の中は、なんだか不気味だった。
夢には構層がある。本人がいる空間と、その空間を取り巻く『無意識領域』。そこに精神の核は存在している。そのため、精神の核を破壊するためには二つの空間の境目を見つける必要があるのだけれど。
少女の夢の中でのそれはなかなか見つからない。
早く、一刻も早く精神の核を破壊しなければならないのに。そうじゃないと、“あの人”に夢を見させて貰えないと言うのに！
焦りと同様から、少年は大きく舌打ちをした。
『っ、なんなんだ本当に！』
｢＿＿＿誰じゃ、こんな所に入りおって｣
『っ、！』
突然、後ろから若い男の声が聞こえた。その声はどこか怒気を孕んでいるようで、少年に悪寒が走る。冷や汗が流れ、突然動悸が激しくなった。
大声を出したのが不味かったか？本体＿＿この夢を見ている本人に見つかった？いやでもしかし、この夢の本体はまだ10代ほどの少女ではなかったか？
慌てて振り返るが、そこには何も無い。少年は息を呑んだ。
＿＿＿＿そう、『何も無い』のである。
先程までは広がっていたはずの風景が、炭で塗りつぶされたかのように真っ黒になっている。それを自覚した途端に、先程の体調不良がよりいっそう酷くなる。
気が付いたころには少年の周りは真っ黒。少年は頭痛に顔を歪ませながら暴言を吐く。こんなに真っ暗じゃ、境界を見つけることもままならない。
怒りで目の前が赤くなりだしたその時、目の前に一人の男が現れる。男は何だか光を纏っていて、男が自体が『光』のようだった。
そいつは冷たい眼差しで、蹲って苦しむ少年を一瞥している。目が合って数秒、男はやっと口を開いた。
｢何を戯けたことを、この娘の精神の核を崩壊させようなど…この私が許さんわ｣
なぜそれを、と問う前に、少年は眠りから目覚めてしまった。
夢の侵入者が目を覚ますことは、その夢の所有者が目覚めたことに繋がる。
＿＿＿お前なんぞが侵入していいような娘ではない、去れ
- 金 運: ★☆☆☆☆
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りりこ(プロフ) - 作者さんチョコヴァン知ってそうだなと思った今日この頃 (2020年5月12日 20時) (
レス) id: d964a10e7b (このIDを非表示/違反報告)
Rain242 - 剣じゃなくて刀では？細かいところ突っついてすみません。とても面白いです！ (2020年5月5日 2時) (レス) id: b25bc8c008 (このIDを非表示/違反報告)
genkiippai0708n(プロフ) - 最終選別は確かきりやではないはず。(きりやは変換がないから) (2020年4月11日 15時) (レス) id: 6f9d963a04 (このIDを非表示/違反報告)
みつき - �い蘯里討�たいですが、�，�一番読みたいです！更新頑張って下さい！応援しております。 (2020年3月21日 21時) (レス) id: 1489a42d36 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 全部読みたいですが…�，任�願いします。更新楽しみにしています (2020年3月20日 12時) (レス) id: e2c5fada44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいす
| 作成日時：2020年3月13日 14時
