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鬼が襲いかかって来たのをAはひらりと避け、攻撃の道具とも言える鋭い爪がついた両腕をばっさり斬り落とす。ぎゃあぎゃあ騒ぐ鬼の後ろには義勇がいた。
｢水の呼吸、壱の型＿＿水面切り｣
鬼の頸に義勇の日輪刀が吸い寄せられるように近付く。その様子を見てAは『はい勝ち〜』と思っていたのだが、鬼は当たる寸前で避けてしまった。
これはどうやら義勇にとっても予想外だったらしく、普段表情が変わらない彼は目を少しだけ見開く。
その間にも逆上した鬼は義勇に攻撃しようとしていて、Aは慌てて鬼を斬りつける。背中側から上半身と下半身を切り離された鬼はバランスを失い、呆気なく倒れた。
仰向けになるようにしてこちらに倒れてきた鬼の上半身。両腕を無くし下半身と離れてしまっては抵抗の仕様もない。目が合った鬼の瞳には焦燥感が宿っていた。
｢背中、がら空きだよ｣
夢の呼吸、壱の型＿＿浮世の夢
目にも止まらぬ速さで、Aが鬼の頸を斬り落とした。
＿＿＿＿
＿＿
｢いやぁ怪我なく終わってよかったですね！｣
｢…そうだな｣
任務終わり。鬼が消えたのを確認した後に周囲に鬼はもう居ないかを確認した俺らは、最寄りの藤屋敷に向かっていた。
隣にいる彼女＿Aは安心した様子で、明るい笑みを浮かべて俺に話しかける。なんと返したらいいのか分からなくて、そっけない返ししかできなかった。
ちらりと横目でAの様子を窺う。嬉々とした様子で歩いている。この女は不思議だった。初対面のはずなのに、一緒にいて心地良い。
俺と話す時たいていの人間が怪訝そうな顔をするのだが、彼女はそんな素振りをするどころか何故か話がすごく盛り上がった。
あれほどまで話が盛り上がるなんて久々すぎて少し自分でもびっくりした(尚表情は真顔である)。
てちてちと俺の横を歩くAはなんだか可愛らしい。
こんなにも小柄な体つきであるのに、鬼の両腕やら腹やら、終いには首まで落としたのかと思うと感心する。彼女の剣さばきは目を見張るものであった。
｢＿あ、義勇さんお腹すいてません？あそこに定食屋さんあるので寄っていきませんか？大きいお店ですし…鮭大根もあるんじゃないでしょうか｣
確か、お好きでしたよね。
そう言って笑うAに少しだけ口角が上がった。彼女に好物を覚えて貰っていたのが、どうやら俺は嬉しいらしい。
少なくとも、俺から見てAは好印象だ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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りりこ(プロフ) - 作者さんチョコヴァン知ってそうだなと思った今日この頃 (2020年5月12日 20時) (
レス) id: d964a10e7b (このIDを非表示/違反報告)
Rain242 - 剣じゃなくて刀では？細かいところ突っついてすみません。とても面白いです！ (2020年5月5日 2時) (レス) id: b25bc8c008 (このIDを非表示/違反報告)
genkiippai0708n(プロフ) - 最終選別は確かきりやではないはず。(きりやは変換がないから) (2020年4月11日 15時) (レス) id: 6f9d963a04 (このIDを非表示/違反報告)
みつき - �い蘯里討�たいですが、�，�一番読みたいです！更新頑張って下さい！応援しております。 (2020年3月21日 21時) (レス) id: 1489a42d36 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 全部読みたいですが…�，任�願いします。更新楽しみにしています (2020年3月20日 12時) (レス) id: e2c5fada44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいす
| 作成日時：2020年3月13日 14時
