▼ ろく ページ7
学生組も学校から帰ってきて、ある程度の人が今日の夕飯を平らげ、今はもう各々自由に過ごしいている。
俺は少し皆から遅れてのご飯。
おかわりなんだったりで食事中もなんだかんだ忙しかった。
7時まであと数分、という時にがちゃりと談話室のドアがあく。
そこから現れたのは恐ろしい程に顔面が整った至さんだった。
「A、隣座るよ」
「至さん、どうぞ。」
あー疲れたもう無理だるい会社なんて無くなれ。
そうブツブツ言いながらネクタイを緩め、俺の横に腰を下ろす至さん。
安定のその姿に俺は眉尻を下げて困ったように笑った。
ちなみに、最初彼は俺に猫を被っていたけれど家政婦の仕事中に彼の本性を目の当たりにしたこともあり、至さんは俺の前でも本性を顕にするようになった。
加えて。
「A、今日はこのガチャ引いて。
日中空き時間使って引いたけどドブって意味なかった」
はよはよ、とスマホを押し付けてくる至さん。
そう、何故かガチャの代打を頼まれるようになってしまった。
俺が引くと決まっていいのが出るらしい。よくわかんないけど。
「分かった、引くけどその前にご飯。
至さんの分持ってくるからちょっとまってて」
持っていた箸を一度箸置きに置き、立ち上がって至さんの分の夕食をよそう。
冷めかけているものは温めて、お茶と共に彼の前に置いた。
「はい、どーぞ。会社お疲れ様、頑張ったね」
そう言って死んだ目の至さんの頭をぽんぽん、と撫でれば、彼は呆然と俺のことを見つめる。
数秒間見つめ合うと、長いため息とともに顔を覆って俯いた。
「…至さん?」
「なに、意味わかんない…何そのイケメンテク…」
「…大丈夫?」
「大丈夫、むしろもっとやれ」
何この人疲れてんのかな。
普段この人のキラキラスマイルを見ている人がこれを見たら何と思うのだろうか。
あ、いやでも頭を撫でるのをねだっているわけだから喜ぶのかな。
「至さんはご要望が多いなぁ
ゲームのやつもやってないけど、いいの?」
「…どっちもはいけないわけ」
「俺はそんなことよりも目の前のご飯を食べて欲しいからねぇ
せっかく至さんのために温めたのに、食べてくれないの?」
「はぁ〜〜〜〜〜〜???食うしめっちゃ食うし」
「(情緒不安定だなこの人)」
どうやら今日は疲れてるみたいだからそっとしておこう。
____
(何あれ、誰あれ)
(至さんだよ)
(え、きも……)
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める(プロフ) - ま、ます、真澄くんのとこで昇天しました…最高…( (2020年9月26日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - えええ久しぶりの更新めちゃくちゃ嬉しいです待ってました、、、これからもずっと待ってるので、更新楽しみにしています(;_;) (2020年6月21日 15時) (レス) id: 290ff80d8c (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 幸くんが最高に可愛いです…夢主くんもめちゃめちゃかっこよくて好きです!!更新応援してますね! (2019年12月31日 2時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 続きすごく気になります!更新無理しない程度にガンバってください!!!!!!応援してます (2019年12月14日 19時) (レス) id: e54dafa9c8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - すごくいい!すごく面白いです!!BLはちょっと無理なんですが、そういう感じじゃなくて、なんか、、こう見ていて普通に逆ハー!って感じで好きです!!これからも頑張ってください!応援してますー! (2019年10月30日 21時) (レス) id: 0a78293a93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいす | 作成日時:2019年10月10日 15時