▼ じゅうなな ページ18
せっかくの休日の日。
今日は学校も用事もないから、監督と一日中一緒にいようと思っていたのに。
「こっちだよ、真澄くん」
この男のせいで台無しだ。
「…なに、わざわざ呼び出して
大した用じゃなかったら帰る」
「まあまあ、そう言わないで。
俺は真澄くんと仲良くなりたいだけなんだ」
「俺はそんなつもりない」
「よし、じゃあ早速行こうか」
嫌がる俺の話には一切耳を傾けず、俺の手を取ってずんずんとどこかに向かって歩き出す此奴に無性に腹が立つ。
こんな男のどこがいいんだ、監督は。
普段の様子を見てると、俺の忠告を受けてからこの男と監督が一緒にいるのは見たことが無い。
一緒にいることはあっても二人きりではなく、誰かを含め何人かでいるくらいだった。
俺の言った通り監督に無闇に近づかない辺り、此奴に監督への恋心は無いのだろう。
しかし一方監督はというと、どうやらまだこの男が好きらしい。
いつもどこかぼーっとしていると思って視線の先を追いかけると、そこにはこいつが居る。
なんだかそれが、俺が入り込む隙なんてないように感じてしまって。
それが俺はどうしても気に食わないのだ。
それなのにこの男というと、こうして俺に関わってこようとする。
なんだかもうはっきり言って何がしたいのかさっぱり分からない。
「じゃん、真澄くんならここがどこか分かるんじゃない?」
「…!ここは、」
歩き始めて数分後。
当然会話も何も無かったが、連れてこられた先は最近出来た評判のパン屋さん。
なんでもここのカレーパンが気になって仕方ないと監督が前に言っていた店だ。
かなり人気なのだろう、まだ開店していないのに行列ができている。
「なんか最近監督がこの店の話と休日の空いた時間の話しかしなくって。
あいにく俺には空いた時間が無いし。
でもよっぽど気になってるっていうのは真澄くんも知ってるでしょ?
買って行ってあげたら喜ぶと思うんだよね」
「…だから何。俺はお前の買い物に付き合わされただけ?」
「?何言ってるの
これ買って、真澄くんが自らの手で監督に渡すんだよ」
きょとんとした顔でそうけろりと言ってみせた此奴に驚く。
この男が俺を連れて買いにきたのに、俺が監督に渡す?
そんなのこの男には何のメリットも無いじゃないか。
俺の株が少し上がるだけで___
まるで、俺の恋を応援しているようじゃないか。
1290人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
める(プロフ) - ま、ます、真澄くんのとこで昇天しました…最高…( (2020年9月26日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - えええ久しぶりの更新めちゃくちゃ嬉しいです待ってました、、、これからもずっと待ってるので、更新楽しみにしています(;_;) (2020年6月21日 15時) (レス) id: 290ff80d8c (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 幸くんが最高に可愛いです…夢主くんもめちゃめちゃかっこよくて好きです!!更新応援してますね! (2019年12月31日 2時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 続きすごく気になります!更新無理しない程度にガンバってください!!!!!!応援してます (2019年12月14日 19時) (レス) id: e54dafa9c8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - すごくいい!すごく面白いです!!BLはちょっと無理なんですが、そういう感じじゃなくて、なんか、、こう見ていて普通に逆ハー!って感じで好きです!!これからも頑張ってください!応援してますー! (2019年10月30日 21時) (レス) id: 0a78293a93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あいす | 作成日時:2019年10月10日 15時