候補2人目 ページ2
戸籍も身寄りもお金もない、帰れないままここを卒業したら困るから、養ってもらえる人が欲しい。
そう言った彼女は困ったように笑っていた。Aはいつも疲れたような顔をしている。
そりゃそうだ、異世界で突然暮らすなど負担がすごいに決まっている。加えてこのまま帰れないかもしれないという恐怖。
しかし彼女はその思いを振り切って、仮にここの世界に残ってしまった時のプランを立て始めている、らしい。
「あ、相手探し、か」
「へー、じゃあ合コンとか参加するわけ?たまにマジカメとかで参加募集してんのとか見るけど」
「まさか!学園長から1人であんまり外出するなって言われてるし、何せ異世界の外怖すぎ」
「ああ……」
哀れみの声を出したのはエースとデュースのどちらだったか。彼らの脳内には学園長の姿が浮かぶ。
彼女は気付いていないが、学園長は監督生であるAにかなり過保護である。
学園外に出るのは、魔法が使えない、この世界の常識に疎い彼女にとって驚異であるから。
余談ではあるが知らないだけで学園長は彼女に防衛魔法を掛けている。
ちらちら様子は見に来るし、しきりに褒めては頭を撫でている。
ついでに不躾な目線を彼女に向ける男をぎろりと睨む。
彼女が気づいていないだけなのである。大事なので2回言った。彼女が気づいていないだけなのである(3回目)(くどい)
「だからここの学園の中で出来れば探したいんだよね、無理かな」
「ゴボァッハァァァッ」
「え何きたな」
エースが飲みかけのカフェオレをぶちまけた。それはもうマーライオンのごとく。
あまりのことにびっくりしすぎたAは素直な感想を述べる。そしてそれはエースの心に鋭く突き刺さった。切実にやめてやれ。
デュースはエースほどでは無いが少し動揺した。
食べようとしていたオムライス1口分が乗っかっていたスプーンをぶん投げた。全然少しじゃないかなりびっくりしている。ただエースが衝撃的すぎて薄れた。
そしてマーライオンと化したエースを『なにこいつやべぇ』みたいな目で見ている。いやデュースお前も大概やばい。
ただひとり、グリムだけが冷静だった。
というか昼ごはんに夢中なだけである。話なぞ1ミリも聞いてなどいない。ちったぁ話を聞け。お前の相棒とんでもねえ事宣ってやがるぞ。
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FLOWER(プロフ) - こちらの神作、n周回目なのですが(???)本当に飽きないんです好きです…続編、全裸待機で待っております!頑張ってください!! (8月11日 14時) (レス) @page38 id: 87ff2022c1 (このIDを非表示/違反報告)
だんご - とっても面白かったです(o^^o)続編楽しみにしてます! (2023年4月10日 1時) (レス) @page38 id: 682f1d07da (このIDを非表示/違反報告)
たい焼きティー(プロフ) - 最高すぎて、、、、(/-\*)続編楽しみです!!!!! (2023年4月9日 5時) (レス) id: bb745024cc (このIDを非表示/違反報告)
うさマロ(プロフ) - ものすごく続きが気になります!!続編楽しみしてます!! (2023年3月20日 20時) (レス) @page38 id: 9e17f78ec0 (このIDを非表示/違反報告)
爆発(プロフ) - こんなに面白い作品久しぶりに見つけました!すごいにやけながら見てしまいました!続編とても楽しみです!頑張ってください! (2023年2月26日 2時) (レス) @page38 id: c0924be3a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2021年3月27日 16時