. ページ23
眩しいほどに、カラフルな光を宿すペンライト。
音と連動して会場のライトが演出する。
そして、スポットライトを全身に浴するA。
眩しい。
その光景は、ただ『眩しい』の一言に尽きた。
物理的にも、比喩的にも。
ステージで歌って踊る彼女は目には見えない輝かしい光を放っている気がしたのだ。
ソロ活動故に、ステージにはA以外おらず普通ならどこか寂しさを感じるはずなのだが。
そんなことは一切ない。というか彼女から目が離せないためそんなことは気にならない。
歌で、踊りで、笑顔で。
Aは会場の人々の視線を奪い、決して手放すことは無い。
彼女はたったひとりで大人数を虜にしてしまう。
｢＿＿私から目ぇ離しちゃ、めっ！だからね！｣
わあっと湧き上がる歓声。
男も女も、現実を忘れて彼女のセカイに入り込む。
周囲の人の声のあまりの大きさに俺は顔を歪めた。
う、と呻いて目を閉じて間もなく、また俺の周りが騒がしくなる。
今度はなんだと瞼を上げると、すぐ近くまでAが来ていて。
｢じ、ん、さ、ん｣
曲のＢパートが始まる前のイントロで、こちらに気付いた彼女は口パクをする。
それが俺の見間違い出なければ、あの時彼女言ったのは＿
｢(＿＿…俺の名前？)｣
いきなりの事で俺がぽかんとしている間に、彼女はにやりと挑戦的にこちらに笑うと＿＿＿＿＿＿
ばきゅん！
手で作った拳銃で、俺を撃ち抜いた。
｢っ、！｣
息を飲んだ。声が出なかった。彼女から、Aから目が離せなくなった。Aのことしか考えられなくなった。
さっきまでは、別のことに意識を向けることなんて安易な事だったのに。
顔が、体が火照っているのが自分でも分かる。
確かに、前々から可愛いやつだなとは思っていた。
素直で健気、己の才能に頼りきらず努力し続けるその性格。
言わずもがな彼女は魅力的だ、人を惹き付けるナニカを持っている。
今思えば、あの音は俺が彼女に恋に落ちた音だったなぁと。
ふ、と乾いた笑いを零した俺を不思議そうに見る4人を横目に、俺はよっこらせと立ち上がる。
｢先生？話は？｣
｢楽しみにとっとけよ、見るんだろライブ。実際見りゃ分かるよ｣
ただな＿＿と付け足して、キョトンとこちらを見る彼らに目もくれず俺は保健室を後にした。
＿＿＿あんまり無防備でいると、あいつに撃ち抜かれるぞ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 486人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひかり(プロフ) - 月兎さん» 承知しました！お話に入りきらなくて続編での更新になる可能性が高いですが是非読んでくださいね！ (2020年3月26日 15時) (
レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - リクエストします。羽風先輩VS神崎くん と 神崎くんと時代劇の撮影と伏見くんVS茨くんをリクエストします。更新頑張ってくださいね。 (2020年3月26日 14時) (レス) id: fdb5669a18 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです…！リクエスト、応えられるよう頑張ります！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: a5a72bcd0d (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - リクエストよろしいですか？「ライハ組とりっつが、ひっそりと夢主の好きな所を話し合ってる」みたいなのが見てみたいです！毎回面白くてにやけながら読ませてもらってます！これからも頑張ってください！ (2020年3月22日 23時) (レス) id: 456648e3b3 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - リクエストに答えて下さりありがとうございます！！凛月くんの方も楽しみにしていますね！！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: bd5bbfc6ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいす
| 作成日時：2020年2月12日 22時
