#15 ページ17
「…銀時。」
『…A…お前どうしたんだ。』
「…出てくれてありがとう。ブロックされてないか心配だった。」
少し笑いながら言うと、銀時は尚も戸惑いながらおう…とだけ答えた。
電話越しで聞く銀時の声は、まるで10年ぶりに聞いたのかっていうくらい懐かしくて私は笑みがこぼれた。
「あのね。まだ言ってなかった言葉があった。」
「私を、選んでくれてありがとう。大切な存在として側にいてくれてありがとう。
私の好きって気持ちを受け止めてくれてありがとう。」
こころなしか、向こうは息を呑んだようなつまりが伝わった。
「もう私は復縁とかは望んでないし、ただただ嫌な言葉しか言ってなくて…。
一年も一緒にいたのに、感謝も言えなかったことが、とっても今更だけど…心残りだったの。」
そういうと、銀時はただただ「Aらしくて、ほんと良いよな、そういうとこ。」とだけ答えてくれた。
「もう会わないかもしれないが、俺みたいな良い男と付き合えたって誇りにしてくれよ。」
多分銀時にとって、精一杯の皮肉なんだと思う。
私も同じように、「そっちこそ、私みたいな良い女といれたこと、忘れないでね。」と答えて、電話を切った。
私が無理を言ってもたせたスマホを、まだ手放さずにいてくれたことが少しだけ嬉しかった。
私はこの行動のきっかけとなってくれた沖田くんに、メッセージを送った。
Aありがとう。
また、すぐに既読はついた。
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ふゆき(プロフ) - 歩く中二病@ごりらーさん» お気遣いありがとうございます。 (2018年8月30日 20時) (レス) id: c3febc506b (このIDを非表示/違反報告)
歩く中二病@ごりらー(プロフ) - 続き、楽しみにしてます!無理しない程度に頑張ってくださいね (2018年8月30日 20時) (レス) id: c177f1386f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふゆき | 作成日時:2018年8月30日 2時