合宿所 胡蝶

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『聞きたいこと、と言うのを教えていただいでも宜しいでしょうか？』




皆様の部屋から布団部屋までの廊下を黒尾さんと歩きながら、そう尋ねると




黒尾「…バレーは中学までやってたんデショ？
どこ中出身なの?」



なんだそんなことかと、




『キメツ中学校です。』





と答えると、





黒尾「ハァッ？！キメツ？！？…マジで？やばっ！」





黒尾さんはあんぐりと口を開けて、一人で騒いでいます。





『…そんなに吃驚することでしょうか？』



大袈裟ですね。

と私が少し笑うと、



黒尾「大袈裟じゃねぇーだろ！！
キメツだぞ！中学校の中では最強！！
確か今年の中学校全日本大会も優勝してた！

それから…、コートに舞う蝶がいたとこ！！」




高校生らしい、無邪気な顔で




コートに舞う蝶に会ったこととかある？？

とか、


キメツにいたからかぁ、あのレシーブにも納得だな

と言っているのを見て、





守らなくては





と強く思った。





『(たとえ、私が死ぬのであっても――――)』







黒尾「今は？高校！！バレーやってんだろ？」





この質問に、体が硬くなったのが分かった。





『…すみません、

私、中卒なので…、高校行ってないんです。

バレーも、もう何年もやってません。』






このときの、




相手のびっくりしたような

後悔したような





そんな複雑な顔を


私は生涯忘れることができないと思います。

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