▽30隠してたこと ページ30
you side.
『私、ついこないだまで、生徒会長だったの』
「へぇ、すごいな」
あぁ、言っちゃう
あれほど嫌だったのに、なぜかこうちゃんには
聞いてもらいたかった
『…それは、私がやりたくてやってたんじゃなくて。
ただ、居場所を、作りたかっただけで』
中学三年に上がったばかりは
お母さんとお父さんは毎日喧嘩をしてた。
情緒不安定になっていくお母さん。
毎日いらいらしてて酔っぱらって帰ってくるお父さん。
家に私の居場所なんてなかった。
唯一、私の味方だったおばあちゃんは
認知症が始まって、私を認識してくれなくなった。
いつも呼ばれる、お母さんの名前。
‟あんたがあんな人と結婚したけぇ…”
毎日のように言われるこの言葉。
いつからか、私の名前は、家で呼ばれることはなくなった。
だから、学校だけでも
居場所を作りたくて、生徒会に入って
そしたら自然と生徒会長になってた。
‟Aちゃんは仕事ができるから”
そんな理由で押し付けられた学級委員も、
居場所を守るためで。
それでもね、耐えられんかった。
学校の生徒が何かしたら、全部私に降りかかってきた。
先生も、全員 私を責めるの。
‟なんで、見とかんかったの”
もう、こりごりだった。
学校からも、家からも、広島から、抜け出したい
もう、責任なんかもちたくない
そう思った。
『そんなときね、芸人さんの関西弁を聞いて
大阪って、ええな、って思った。
私は、逃げてきたんよ、広島から。
じゃけん、私にあんな偉そうに言う資格ない。
こうちゃん、安心でもなんでもないよ。
たいちゃんを、みんなを任せて
って言えん。
私は、逃げてきたから
きっとまた、逃げてしまう』
私の目に映るこうちゃんは、ぼやけていた
「大丈夫や。逃げそうになったら、俺んとこおいで。
そしてまた、ここに戻ってくればええから。
俺の分まで、頑張ってほしい」
この会話を、誰かが聞いてるなんて、思ってもみなかった。
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senaaaaaa - 個人的な話なんですけど、広島出身なのでリアル感あってめっちゃリアルに感じます笑 (2022年8月5日 20時) (
レス) @page1 id: 1a55999e79 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - 10初対面のこうちゃんのなんですけど「みんなの万能調味料こと塩麹よりも向井康二｣ですよ！！ (2019年7月8日 16時) (レス) id: cd7843d5f7 (このIDを非表示/違反報告)
☆*:.｡. 大橋 嶺雪.｡.:*☆ - 私、この作品好きなので、更新頑張ってください！ (2017年7月4日 12時) (レス) id: 29b09aaa10 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。こうちゃんに主人公ちゃんの隠してる事を話してるのを誰が聞いてるのか？気になります。 (2017年6月29日 6時) (レス) id: 2f2289b391 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHARU(プロフ) - 初めてこの小説を読みました。更新楽しみにしてます。 (2017年6月23日 22時) (レス) id: d7a73f492c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2017年4月23日 17時
