３３三世紀にわたる友情は何色なのだろう ページ6
「Aの幼なじみ……斗亜、やっけ？
その子も物売りなんやろ？」
『うん、ずっと昔からある雑貨屋さんの一人息子で』
「あれな、俺知ってる。江戸のあの店、見たことあるわ」
ライバル、っちゅーん？ 結構手強かったで。
そう笑うリチャードくんと、斗亜を照らし合わせてみる。
いつもおいしいご飯を作ってくれるリチャードくんと斗亜は
どうやったって重ならなかった。
「俺の父親は、貿易によって大坂に来た外国人の男でさぁ。
まぁ貿易のために来てたから、俺を身篭った母さんを置いて国へ帰ったわけ。
江戸時代で、こんないかにも異国の血が入ってますっていうナリの俺を、
ずっと母さんは守ってくれてたんやけど」
悲しそうに笑うリチャードくんの話に聞き入ってしまう。
隣のセイヤくんはいつのまにかラーメンを食べ終わっていて、
肘をついてどこか遠くを見ていた。
「母さんが病気でしんで、あぁ、ただの病気やったで。
俺ひとりで母さんが残した店をやっててんけど、やっぱうまくいかんくて。
そんなとき、コイツと、一人の女の子に出会ってん」
コイツ、と親指で刺されたセイヤくんは口角をあげながらピースをリチャくんに向けた。
「女の子の方はよく店に来てくれてたんやけど、
いかにも普通の女学生の子が巷で知らん奴はおらん
”末澤家”の長男を連れてきたもんやから、あんときは腰が抜けるか思ったわ」
隣ではセイヤくんがハハ、と軽く笑っていて、
彼らの絆の深さをまた身に染みて感じた。
「あのとき、”イイところに連れていってあげる”って
言われて連れてかれたのリチャの店やで？
な〜にが”イイところ”や、紛らわしい言い方すんなやってな」
思い出を大事そうに、抱えるように言葉にするセイヤくんと
思い出しながら優しく笑うリチャードくん。
『二人がモンスターになった理由って』
愛おしそうに頷く二人に納得する。
とても仲がいい六人だけど、この二人だけ、
どこか異質な、確固たる何かがあるような気がしていた。
それは、共通する”モンスターになるきっかけ”だったのか。
「お前も話せよ、俺話したんやから」
リチャードくんがセイヤくんに笑いかける。
冷えてしまった私のラーメンの丼を、
リチャードくんが温め直してくれると言う。
彼が戻ってくるまで、という制限付きで
セイヤくんは話し始めた。
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
