５４向けられる瞳は痛くて鋭い ページ27
部屋の扉が勢いよく開いた。
ついさっき見た優しい表情は幻だったかのように、
怒りで満ちた目を私に向けたコジケンがそこに立っていた。
リビングから彼を呼ぶ声と足音が近づいてくる。
「お前、浮気性なん？」
低く、冷たい声がのしかかる。
なにを、言っているのだろう。
その眼差しの意図も、言葉の意味も、何一つわからない。
「手出しすぎやねん、何人の人生を引っ掻き回したと思って」
強い力で襟元を掴まれ、座っていた体を立たされてしまう。
いつか、彼に借りたTシャツの襟がどんどん伸びていく。
怖かった。私は知らないうちに彼に何かをしてしまったのだろうか。
視界がぼやける。
理由がわからないのに泣きたくなくて目を瞑った。
「おい、聞いとん……」
「何も知らんA責めるのはちゃうやろ」
声がして目を開けると
コジケンと私の間に立ったよしのりくんがいた。
ふと入り口に視線を移すとそこにはみんな集まっていて。
だけど、どうしてだか何かが違う。
私を見つめる目が、数十分前と違う、何かを孕んだ瞳だった。
「取り乱すのはわかるけど」
よしのりくんが言い終わらないうちに
ばちん、と言う音が部屋に響く。
なだめようとしたよしのりくんの手を、コジケンが弾いた音だった。
「うるさい、これは俺たち５人とこいつの問題や」
私を指差すコジケンの目には確実に憎悪があって、
やっぱり泣きそうになる。
「コジマ、言い過ぎ。
Aにもマサカドにも謝れ」
「でも、セイヤくんだって怒ってるでしょ？
アンタも騙されてたんやから、それも婚約者に」
何も知らないまま広がっていく会話が怖かった。
私はここにいるはずなのに、いないようで、
みんなは私を見ているのに、見ていないような気がして。
「お前はそういうとこが子供やねん。
俺たちが事実を知っただけで、Aは何も変わってへん。
Aは、Aでしかないよ」
セイヤくんの言葉にコジケンは長いため息を吐いたあと、
部屋を出ていった。
意味がわからない。
事実を知った？
コジケンとセイヤくんが飛べなくなったことと、
関係があるのだろうか。
『あの、』
私の声に、セイヤくんは困ったように笑った。
「信じられへんかもしれんけど、聞いてくれるか？」
何が伝えられるのか怖かったけれど
知らないままは嫌だったので次の言葉を待った。
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
