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全く動揺せず、うっすらと微笑んだままの僕にAはムキになってしまったようで、「きらいだもん！きらい！」と言って頬を膨らませる。
顔を背けた彼女のへそは本格的に曲がってしまったらしい。これはちゃんと謝っておかなければ。
A、と名前を呼ぶと唯一返ってくる「ふん！」という声。
どこから学んできたのか、両腕を組んで【私は今不機嫌です】という感じを醸し出しているAは、どうやら僕が謝るまで口をきく気はないらしい。
ふっ、と息を吐いて、笑みを湛えながら、僕は口を開く。
「A、ごめん。僕が悪かった。もう嘘ないないするよ」
「……ごめんなさい？」
「うん、ごめんなさい」
「……かみさまー！」
「相変わらず気分屋だなぁ」
素直にごめんなさいと謝罪をすると、Aはやっとこちらに顔を向けてくれて、椅子に座っていた僕の腕に飛び込んできた。スマホをテーブルに置いて、しっかりとその体を受け止める。
機嫌を直してくれたAには、それから、ちゃんと話した。首を捻っているシーンも何度かあったけど、それでも辛抱強く説明して、残らず全て話した。
ツイッターという所でAの写真があがっていたこと。
僕とAが一緒に居ることがバレてしまうかもしれないこと。
バレてしまったら、もう僕らは一緒に居られないこと。
君が神様だと思っていた人間は……この世では、ただの悪い人であること。
包み隠さず、全部。
「……かみさま、いっしょじゃなくなるの……？」
話を聞き終わったAは、不安げな表情をしていた。
実際、いつそうなっても可笑しくない。明日にはもう警察がここに突入してくるかもしれないし、明後日には僕という人間の顔が犯罪者として世間に出回っているかもしれない。
変に希望を与える方が酷だということは分かっている。だからこそ説明した。Aもなんとなくではあるが分かってくれた筈だ。
なのに今更、彼女の問いに頷けない。要約するとそういうことなのに、改めて聞かれると声が出なかった。
「……うん、ずっと一緒」
いつか、腕の中で震えていた彼女に言った言葉が脳裏に甦る。
本当は最初から全部、話しておいた方が良かったのだろうか。それは出来ない約束だと突き放す方が、彼女にとっても、僕にとっても最良の選択だったのだろうか。
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阿部葵(プロフ) - 授業中なのに一気読みしてしまった､､、それぐらい面白かったです!! (10月23日 11時) (
レス) @page50 id: 9bdf52cb2f (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 涙とともに語彙力が抜け落ちてしまったんですけどいいお話すぎてめちゃめちゃ泣けました。 素敵なお話ありがとうございました (2022年3月1日 5時) (レス) id: 4d31a55c6b (このIDを非表示/違反報告)
みそら - ほんっっっとにいいお話でした！もう涙が止まらないし、、心臓鷲づかみにされました。素敵なお話ありがとうございました！ (2021年8月13日 3時) (レス) id: b1ecf40e27 (このIDを非表示/違反報告)
百舌鳥(プロフ) - あああ!(泣)なんだよ、涙で前が見えねぇよ!!。こんなことならティッシュじゃなくてハンドタオル準備するんだった!!。､､､誘拐事件のニュースを見ただけでどっちが悪いかを自分も考えなきゃいけない。頭ではわかっても本当に裏側を見る努力を自分はしてなかったんだな (2021年8月3日 21時) (レス) id: 47ce5ea5c1 (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃん - 感動すぎて号泣です。今までで、一番良い話でした！泣きすぎて語彙力がなくなってしまいましたが、とりあえず、素敵なお話でした！この作品を書いてくださり、ありがとうございます。 (2021年7月3日 21時) (レス) id: 2fdd422fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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