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Aはこたつが物珍しいのか、布団を捲っては「あったかい……」となにやら感動している様子だった。こたつすら知らないって、どういう環境だよ。
持ってきたアイスを二人で食べながら、暖まった状態で食べるアイスはやっぱ最高だなと思う。
ソファーに運んだ男を視線だけで確認すると、男はまだ眠っていた。だが幾分か表情が安らかになった気がするので、心配は要らないだろう。
それよりも、と視線をAに戻し、普段なら絶対に突っ込むことはない質問をするため、俺はそっと息を吸い込んだ。
「あんさ、A」
「んぅ？」
「Aは、神様のことどう思ってんの？」
「かみさま……？」
体にあった傷は、お父さんとお母さんは、住んでる家は。聞きたいことは色々あったが、結局、俺がした質問はシンプルに彼女にとっての【神様】についてだった。
よく分かんねぇけど、なんとなく【神様】について聞けば、俺が気になってることは全部分かる気がした。
河村拓哉って奴と違って東大とかそんな有名大学は出てないし、頭だって良くないが、勘は昔からよく当たる。今回も俺の中の勘がそう囁いていた。
Aは溶け始めたアイスを暫し見つめて、ゆっくり俺と目を合わせた。真っ直ぐな眼差し。俺なんかには無い、子供だからこその輝きがそこにはあった。
「……かみさま、はね。ぱぱとままがこわくて、にげたわるいこのAを、たすけてくれたの。おうちおいでって、いってくれて、おんぶしてくれて。いっぱい、やさしくしてくれたの」
「うん」
「いたいいたい、したとこ、おくすりぬってくれて。おまじないも、してくれて……にげて、ふたりで、しあわせになろうって、いってくれたの」
「……」
「―――Aね、かみさま、だいすきなの」
子供は良くも悪くも素直だ。Aの言葉の中に、嘘が混じっているとは思えなかった。心の底から、【河村拓哉】という神様が大好きなのだ、この子は。
所詮、メディアは客観的に見えて主観的でしかない。事実だけを報道しているように見せて、文章の端々にはテレビ局の主観が織り混ぜられている。
結局表面しかみていないのだ。誰も、その裏側を見ようとはしない。
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阿部葵(プロフ) - 授業中なのに一気読みしてしまった､､、それぐらい面白かったです!! (10月23日 11時) (
レス) @page50 id: 9bdf52cb2f (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 涙とともに語彙力が抜け落ちてしまったんですけどいいお話すぎてめちゃめちゃ泣けました。 素敵なお話ありがとうございました (2022年3月1日 5時) (レス) id: 4d31a55c6b (このIDを非表示/違反報告)
みそら - ほんっっっとにいいお話でした！もう涙が止まらないし、、心臓鷲づかみにされました。素敵なお話ありがとうございました！ (2021年8月13日 3時) (レス) id: b1ecf40e27 (このIDを非表示/違反報告)
百舌鳥(プロフ) - あああ!(泣)なんだよ、涙で前が見えねぇよ!!。こんなことならティッシュじゃなくてハンドタオル準備するんだった!!。､､､誘拐事件のニュースを見ただけでどっちが悪いかを自分も考えなきゃいけない。頭ではわかっても本当に裏側を見る努力を自分はしてなかったんだな (2021年8月3日 21時) (レス) id: 47ce5ea5c1 (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃん - 感動すぎて号泣です。今までで、一番良い話でした！泣きすぎて語彙力がなくなってしまいましたが、とりあえず、素敵なお話でした！この作品を書いてくださり、ありがとうございます。 (2021年7月3日 21時) (レス) id: 2fdd422fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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