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着ていたパジャマも勿論びちゃびちゃで、なるべく早めに着替えさせたが、それでも大分体は冷えてしまったらしい。
くしゅん、と定期的にくしゃみをするAを毛布でくるみ、ご飯を食べたり一通りのことを済ませた後は、早めに床についた。掛け布団も一枚増やし、エアコンの温度も何度かあげておく。
「A、まだ寒い？」
「……さむい」
「こんな時期に雨に当たったりするから。暖かくして寝なよ」
「うん……」
ほんのり頬が紅い気がするAの頭を撫でて、僕も瞼を降ろす。もしこのまま、Aが風邪をひいたらどうしようか。病院には連れていけないし、けどそれで万が一重症化したりしたら。いや、心配しすぎなのだとは思うが。
兎に角、明日になってから色々考えよう。今は取り敢えず、明日のためにも寝なければ。
「―――ごほっ、けほっ」
「ん……A……？」
次の日。僕を夢から引きずり起こしたのはスマホのアラームでもなく、優雅な小鳥のさえずりでもなく、苦しそうな咳の声だった。
瞼を押し上げた先にあるぼやけた視界の中で、しんどそうなAだけはしっかりと捉える。
頭上に置いてあった眼鏡を掴み、直ぐ様体を起こして、眼鏡をかける。
鮮明になった視界の中で、やはり僕が捉えたものは見間違いではなかったのだと知った。Aは顔を真っ赤にして、しんどそうに何度も咳を繰り返していた。
「A、大丈夫？しんどい？」
「けほ、けほっ……かみ、さま……さむい……」
「……熱はまだ上がるか」
額に手を当てて、その熱さに思わず「あつ」と声が飛び出す。
一応体温計も脇に挟めば、音の鳴ったそれが表示していたのは38度という値。道理でしんどそうなわけだ。熱があることは確信を持って分かっていたが、ここまで高いとは思っていなかった。
まずは、どうするべきだ。冷えピタを持ってくる？いや、この家に冷えピタは置いてない。なにか食べさせる？普通の食事がとれるとは思えない。ならアイス？一昨日冷凍庫のアイスは二人で食べてしまった。ダメだ、なにも思い付かない。
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阿部葵(プロフ) - 授業中なのに一気読みしてしまった､､、それぐらい面白かったです!! (10月23日 11時) (
レス) @page50 id: 9bdf52cb2f (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 涙とともに語彙力が抜け落ちてしまったんですけどいいお話すぎてめちゃめちゃ泣けました。 素敵なお話ありがとうございました (2022年3月1日 5時) (レス) id: 4d31a55c6b (このIDを非表示/違反報告)
みそら - ほんっっっとにいいお話でした！もう涙が止まらないし、、心臓鷲づかみにされました。素敵なお話ありがとうございました！ (2021年8月13日 3時) (レス) id: b1ecf40e27 (このIDを非表示/違反報告)
百舌鳥(プロフ) - あああ!(泣)なんだよ、涙で前が見えねぇよ!!。こんなことならティッシュじゃなくてハンドタオル準備するんだった!!。､､､誘拐事件のニュースを見ただけでどっちが悪いかを自分も考えなきゃいけない。頭ではわかっても本当に裏側を見る努力を自分はしてなかったんだな (2021年8月3日 21時) (レス) id: 47ce5ea5c1 (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃん - 感動すぎて号泣です。今までで、一番良い話でした！泣きすぎて語彙力がなくなってしまいましたが、とりあえず、素敵なお話でした！この作品を書いてくださり、ありがとうございます。 (2021年7月3日 21時) (レス) id: 2fdd422fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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