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慧と話し終わって、すぐにひかるに電話をする。

「あ、今慧と話してきたよ。前の慧に戻ってた。ちゃんと話できて、よかった…」

『そっか…よかった。俺のせいで2人の仲が悪くなってしまったなら、どうしたらいいか分からなかったから…』

「ひかるのせいじゃないよ…全部俺が…あぁ、ごめん暗くなっちゃうね…あの、さ、これから帰るから、来ても…いいよ」

『いく!毎日会いたいもん!』

「もう会ってますけどね」

『うっさい!てか急に敬語に戻るなー!!』

「ごめんごめん、待ってるね」


カフェのある隣町から電車で数分。
車窓からの景色と一緒に今までの事が頭を流れる。

慧はふざけて見せても本当に優しいから、
無理してないだろうか、心配になる。

自分に誰かを悩ませるほどの魅力があるとは思わないけど。

恋が叶わない辛さなら痛い程知っているから、ゆっくり慧を見守って行きたい。

そしてまた1番の親友になって。





「ただいま」

「おかえりなさい」

小さく飛び込んでくるひかるを両腕で受けとめる。


♪♪♪〜

慧からメールだ。

『忠告しておく、明後日土曜だから帰るから』

はは、何この文章。

でも俺らに気遣ってくれたんだな。

『了解!』

♪♪♪〜

『朝から見せつけられたら堪らねぇから』

もー、言われなくても分かってるよ。

『大丈夫だから、安心して帰ってきて』


「…ふっ」

音に出して笑っていたみたい。

「どしたのー?」

「あ、慧から、土曜帰るから覚悟しとけってさ」

「えぇっ!か、かくごぉ?」

目と口を開いて子供みたいに驚くひかる。

「あ、や、表現ね、ほら、3人鉢合わせたらちょっと、ね?」

「そっかぁ、会うだけでもだめかなぁ…」

「うん、まだ会わない方がいいかもね」

「そうだよね。でもいつか慧さんとも仲良くなれたらいいな。ゆうとの素敵な親友だもん」

「きっとなれるよ、ひかるなら」

「かなぁ…」

慧は良い奴だけど、あんな話を聞いてもそんな事思えるひかるは本当に心が綺麗だと思う。

そっとひかるの耳に髪を掛け頭を撫でる。

「ねぇ、ゆーと?」

「ん?」

「今日は…いいかなぁ」

目をキョロキョロ泳がせた後、控えめな上目遣いで俺を見つめる。

「なに?」

「したい…な」

自分の服の襟元を持って恥ずかしげに目を落とす。






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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです!スピンオフ待ってます! (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんぴょ | 作成日時:2019年6月7日 11時

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