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ザーザーザー

雨が降っている。

先輩のこと…なんか頭に浮かべながら、窓に打ち付ける粒を見ていたとき。


インターホンが鳴った。

宅配便なんか頼んでたかなとか思いながら小窓を見ると、
そこには光先輩がいた。

なんで…


もう一度鳴るインターホン。


しばらくして、

「ゆーとー」


どうしよう…

無視してたら帰る…?


でも万が一、途中で慧に会ってしまったら、その方がまずい。

ガチャ

ドアを開け、玄関に入れる。

「ゆうと、あの」

「途中まで送るんで帰ってください」

「えっ、まって」

「なんですか?」

「ゆうと、本当は彼女いないんでしょ」

「いますよ、なんでそんな嘘付くんですか」

「それを聞きに来たの」

「え?」

「聞いたの。ゆうと、彼女いないって」

「誰に…」

と言って、すぐに分かった。
結びついた。薮さんだ。昨日の質問。

なんで薮さんが聞いて教えたかはわからないけど。

「ねぇ、なんでそんな嘘付いたの?」

「先輩を避けるためにです」

「どうして?」

「迷惑なんです。頼られて」

嘘。そんな事ちっとも思ってない。
でもそう言ったら帰ってくれると思った。

「ウソだ!迷惑なんかじゃないって、頼ってって言ってくれたじゃん!」

珍しく引き下がらない。


「それは…」

「俺の事…好きって言ったじゃん…」

下を向いて涙を床に落とす先輩。

「ウソです」

「…へ」

固まっている。

そこに畳みかける。


「そう言ったらヤらせてくれるかなーって」

最低だ。こんな言葉を言うだけで自分が憎くて仕方ない。

「俺のカラダが欲しかった…?」

「そう、それだけ。なのに、頼られて、困ってたんです。だからもう来ないでください」

違う、全然違う。そんな事一度も思ってないです。


少しの沈黙が流れて、

「いいよ…カラダだけでも。あげるゆうとに」

「え 」

思いもよらぬ返答が返ってきて言葉を失っていると、
肩を掴んでキスをされた。

「好きなの。ゆうとのこと。好き」

そんな…

「俺は好きじゃないです」

ウソ。好きです。

「ん…わかった。じゃあ最後にキスして」

「無理です」

そんな事したら、何もかも崩れてしまう。





おおうそつき→←_.



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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです!スピンオフ待ってます! (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんぴょ | 作成日時:2019年6月7日 11時

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