友 ページ37
・
気付いてなかったわけじゃない。
何度かおかしい節はあった。
でも俺は慧を友達としてしか思ってないから、
ウソだ、ふざけてるだけだって、言い聞かせていた。
慧の事は好きだけど、決して恋じゃなく友情での好きだから。
その関係を変えたくなかった。
友として、大切だからこそ。
「ゆうとおはよっ」
今朝の出来事をぼーっと考えていると
光先輩が無邪気に声を掛けてきた。
「おはようございます」
準備してなくて声が掠れる。
「どうしたの？」
「いや、、」
先輩に言う事ではないから首を振る。
「ねぇ、待ってて」
俺の手首を掴む。
「え？」
「ちゃんと、考えてるからね、裕翔の事」
眉を下げて困り顔の上目遣いでそう言って、先を行く。
「えっ」
一瞬後ろを振り返り、しっ、と人差し指を口の前に立てる。
ちゃんと考えてる
ってそういう事ですか？
それ以外にある？
そんなの、すっごい嬉しい。
信じられないし、嬉しいに決まってる。
けど、どうしたらいい？
なんでこんな事ばかり起こるんだ。
………なんて悩んで三日が経った。
特別何も起こらず、心だけが騒がしいまま。
週末、慧が帰ってくる。
油断してた。
慧は頭がいいって、何でもお見通しだって、
分かってたはずなのに。
慧がソファに座っているから、ベッドに座りTVを見ていたら急にTVを消された。
慧の方を見ると、
上から目線で俺を見下ろす。
そのまま俺に倒れこんできて、首筋を舐める様にキスをしてきた。
「ちょ、やめろよ！」
全身の力を使って慧を跳ね返し起き上がる。
「なんで？」
「嫌だから」
ごめん、でもほんと、友達でしょ…？
「なんで？」
目の水分を増やす。
そんな顔されたら、罪悪感が剥がれない。
「だって…友達じゃん…慧だってそう言ってたじゃん…」
「友達だけど、俺裕翔の事好きだし、その体が欲しいんだよね」
「やめてよ…慧の事好きだけど、そんなの聞きたくないよ…」
「じゃあさ、先輩とはそういう事していいの？」
「へ…」
先輩…？
「知ってるよ、俺が分からないわけないじゃん」
「何を…？」
まだ食い下がってみる。
「こないだ会った先輩と＿＿＿＿＿でしょ」
「えっ…」
「やっぱ…あーあ、俺が先に裕翔奪いたかったのになあ」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (
レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです！スピンオフ待ってます！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆんぴょ | 作成日時：2019年6月7日 11時
