知らないもん ページ21
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先輩に聞きたいけど、何もないフリをするから聞くにも聞けず…
何も無いまに、時間を持て余して、自分の口を触る。
先輩とキスした、先輩に触れられた。
やばい、
嬉しさと恥ずかしさが込み上げてきた。落ち着け俺。
横にいる先輩は…
なんだかぎこちない様子。
何を考えてるの?
手でほっぺたをうにうにして…
「ゆ と、ちゅうした…」
「へ?」
…
何か言いましたか?
「あと五分ほどで着くので準備してくださ〜い」
・
・
「先輩、また明日!」
「うん、明日ね!」
二日間、時間関係なしに先輩とずっと一緒にいて楽しかったな…
ちょっと寂しいけど、また明日会える。なんて幸せなんだ。
喜びの欠片を抱えながら、ひとり家へ帰る。
・
♪♪♪♪♪♪
慧から電話だ。
「どしたー?」
「んー?どうしてるかなーって」
「なんも?家にいるけど」
「ふん、そか。一人?」
「うん」
「ふーん」
「えっ?なに、どした?」
「んや〜、ちょっと電話してみただけ〜」
「なんだよ、疲れてんの?」
「まぁ、ほどほどに…慣れたもんよこれくらいの疲れ」
「ふっ、そっか、お疲れ。いつでも愚痴聞くよ〜」
「おぅ、あーがと!」
用があった訳じゃないのか?疲れてるから友人の声でも聞きたくなったのかな。
先輩はどうしてるかな。
薮さんとは大丈夫かな。
大丈夫と願います。
時間があると、考えてしまいます。
・
ザーザーザー
目覚ましより先に鈍い雨の音で起きる。
まだ梅雨だもんな、昨日じゃなくて良かった。
「先輩おはようございます」
「あ、おはよ…」
冴えない顔つき。
「どうかしました?」
「んん」
またノーコメント。させません。
「変ですよ?」
「えっ」
「浮かない顔してー、何かあったんです?」
「な、なんもないもん」
「ほんとに?」
背丈を下げて、じっと見つめてみる。
「ベシッ」
そう口で言って、揃えた長い指で軽く頬をはたかれた。
「俺にかまうなー」
てこてこ、そんな効果音が着きそうな足どりで歩いていく。
変なセンパイ、でもあの様子じゃ問題無さそう。
・
カタカタ カタカタ…
視線を感じた。
先輩のある所から。
?
サッと目を逸らす先輩。
向こうに視線を送り、ん?と首を傾げてみる。
デスクの前で集中してるように見せる先輩。
なんだろう… 気のせい、じゃないよな。
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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです!スピンオフ待ってます! (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆんぴょ | 作成日時:2019年6月7日 11時