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アラームが鳴るほんの数秒前に目が覚める。

考え事とか、したい事があると早く起きれるみたい。

休みの日の出来事が頭の中を駆け巡る。

すべて嘘みたいで、今日の夜に見た夢なんじゃないかと思う。


でもやっぱり夢じゃないみたい。

だって今日先輩は珍しくギリギリに出社してきた。
明らかにどぎまぎして、顔、合わせないようにしてる。

お昼休みももちろん声掛けるチャンスすらくれず、急いで彼のもとへ行く。

そして帰りはすごい速さでオフィスを出ていく。

そんなに避けますか……笑



やっぱりあのタイミングでのキスはまずかったかな、とか思いながらエレベーターで下に降りる。


__うわっ、最悪。 雨降ってんじゃん。
今日傘持ってきてないわ。


仕方ない、しょぼい覚悟を決め、ダッシュする準備をする。

すると、左斜め下に顔を向きながら声をかけてくれた先輩。

「ゆと、かさ、ないの?」

「…はい」

「ん。おれ、やぶと帰るから」

「へ…?いいですよ!悪い」

「いーから、使え」

おばあちゃんが無理矢理お土産を持たせるみたいに、ぐいと押し付けられた。

「あ、ありがとうございます…」

そんな間も一切こっちは見てくれないんだけどね、
関わらないようにしているのに、俺の心配しちゃうあたり、
先輩らしくて可愛いな、素敵だなって思う。


先輩が傘を貸してくれたおかげで濡れずに家へ帰る。

ふー。
誰もいない。慧もいないし、もちろん光先輩もいない。

騒がしかった週末から、一気に現実に引き戻される。

時間を持て余すからゆっくり夕飯を食べ、のんびりシャワーを浴びる。

持ち帰った仕事もないので、あとはだらだら過ごすかな。




…そう思った矢先、今日はガラリと顔色を変えた。


インターホンが鳴った。

ドアの小さな窓を覗くと、そこにはびっしょびしょに濡れた光先輩。

こんなに濡れてるのは最初の雨の日に見つけた時以来だ。

「先輩…?!どうしたんですか?傘は?」

「ない…」

「なんで…あ、まあ、とりあえず上がってください」

「ありがと…」

珍しく素直に家にあがる先輩。

「わーすごい濡れてる、はやくバスルーム入ってください」

「うん…」

寝ぼけているのかってくらい真っ直ぐにスタスタと歩く。

もおお、床すごい濡れちゃったよ…


でも、何かあったから家に来てるんだよね。
でも、今まで先輩から家に来たことなんてないよ。

何があったの?





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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです!スピンオフ待ってます! (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆんぴょ | 作成日時:2019年6月7日 11時

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