烏に幸運を、貴方に向日葵を。(谷地仁花) (ページ7)

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七輪目ページ7

及川side

目が赤くて、泣いたんだな、ってすぐわかった。一人で思い悩んだ顔してた。Aちゃん、人を頼るの苦手だもんね、出会った時もそうだったし。

北一の文化祭で、校内で迷子になってて、体育館まで来ちゃったAちゃんは、
俺が待ち合わせ場所まで送る、って言っても聞かなくて、
大丈夫です、一人で行けます、って、強情張って。

まあ、Aちゃん、また体育館に戻って来ちゃったから、結局、俺が送ったんだけどね☆

待ち合わせ場所についた時の友達と会えて嬉しそうだった、あの時のAちゃんの笑顔、未だに思い出せるよ。

『…………岩泉さんに告白されたら、どう思いますか？』

まさかAちゃんから、恋バナが出るなんてね。なんで俺の相手を岩ちゃんにしたのかはわからないけど。でも、その瞬間、ああ、Aちゃんを悩ませられるのは、俺じゃ無いんだなって、思ったよ。

俺の小さな想いは芽を出す前に、摘み取られちゃったや。

でも、ありがとう。話してくれて。頼ってくれて。それだけでも、嬉しいよ。

頑張ってね、Aちゃん。