烏に幸運を、貴方に向日葵を。(谷地仁花) (ページ6)

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六輪目ページ6

ようやく家の前。

……と、安心する手前、嫌いな彼は現れる。

「Aちゃん、久しぶり～☆」

『及川さん、どうも。』

「堅いなぁ～そんなに嫌い、俺のこと？」

『先輩なので、敬語なだけです。』

「まあいいけど、あんまり一人で悩むの良くないよ～☆困ったら、及川さんにどーんと相談して良いからさ！」

いつものふざけた口調で。でも、真剣な顔してる及川さんに、少し頼りたくなってしまって。

『じゃあ、もし、もしですよ、及川さんが、岩泉さんに本気で告白されたら、どう思いますか？』

つい、口に出してしまった言葉。直ぐに返ってきた返事。

「え？嬉しいよ？」

……………………え？

「そりゃあ、びっくりするし、戸惑うけど、岩ちゃんが俺のこと必要だって思ってくれてる、って考えるとやっぱり一番思うのは嬉しいってことかな。岩ちゃんが悩んで、苦しんで、俺に伝えてくれた気持ちを踏みにじるなんて、俺には出来ない。」

少しの沈黙。破ったのは、私。

『意外……でした。』

「え!?」

『こんな突拍子もない質問に、ちゃんと答えてくれるとは、思ってなくて。』

「え、ひどくない、Aちゃん!?」