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数日後、Aは自身の休息と獪岳自身の療養が終わったのを見込んで自身の育手である桑島慈悟郎から引き継いだ雷屋敷に獪岳を連れて戻った。

途中、屋敷の前をたまたま通る予定だった農家の人に荷馬車に乗せてもらう事になり、2人はあぜ道を見ながら話していた。

『獪岳、これから行くところがお前の帰る家でもある訳だが、何か不都合なこととかはないか?』
「そんなことはない……です」

獪岳は不慣れな敬語を使いながらもAにそう返すと、Aは獪岳の頭を撫でながら再びあぜ道に目をやった。

「兄ちゃん達、ここら辺でいいかい?」
『あぁ、感謝するよ旦那』
「良いってことさ」

2人が屋敷のある道を歩いていると、少し上の方から幼さの残る女児の声が響いた。

「A様〜、おかえりなさい!」
『ただいま、梅……妓夫太郎は何処にいる?』
「お兄ちゃんならA様からの手紙通り、余ってる部屋の整理してるよ!……その子が新しい子?」

梅と呼ばれたその女児がAに抱きつきながらも、獪岳に目を向けると自身の顔を獪岳に近づけて言った。

「アンタ、結構綺麗な顔してる!でもやせ細りすぎじゃない?」
『コラコラ梅、獪岳が驚いているだろう?……お前も、妓夫太郎の手伝いをしなさい』

梅が「は〜い」と言うと、来た道を戻るようにして坂道を駆け上っていった。

『今の子が俺が昨日言っていた兄妹の妹の方だ……あの子もその兄も親に捨てられていたところを俺が拾ったんだ』
「あの……改めて俺を助けてくれてありがとうございます!」

獪岳が丁寧にお辞儀をすると、Aは豪快に笑いながらも獪岳の頭を撫でた。

屋敷に入ると、梅の手を握りながら1人の男児が玄関にAと獪岳を出迎えていた。

「おかえりなさい、Aさん」
『ただいま妓夫太郎……突然の手紙での知らせで悪かったよ』
「いえ、俺たちみたいな子供をAさんが助けてくれることはとても有難いことですから」

妓夫太郎と呼ばれたその男児がそう言うと、妓夫太郎はAの後ろに隠れている獪岳に目を向けて言った。

「俺は謝花妓夫太郎だァ……こっちは妹の梅。突然で悪いんだが、お前の名前を教えてくれるかァ?」
「か、獪岳です……苗字はありません」

そう言う獪岳にAを含めて全員が目を丸くすると、Aはニコリと微笑みながら獪岳の頭をまた撫でた。

『これから獪岳もこの屋敷の家族になる……妓夫太郎、梅、血の繋がりはなくても弟として獪岳をよろしく頼むよ』
「「うん」」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 獪岳 , 救済   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:シフォンヌ | 作成日時:2023年5月8日 2時

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