【HIGH ＆ LOW】横浜天竺の兄妹はSWORD地区へ【東リべ】 (ページ6)

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私とイザにぃが転校してきてから暫くが経ち、この日は生憎の雨だった。

｢雨の日になると、あの日の光景を思い出すよな……｣
『シンイチローに私達酷いこと言ったって思うと、どうしてあんなこと言ったんだろうって思うよね』

私達がシンイチローに最後に会ったあの時、｢血なんか繋がってなくても家族であることには変わりない｣って言ってくれたのに、そんなこと関係なしに私達はシンイチローに当たってしまった。

そんな会話をしながら、手すりに身を預けていると遠くから大きい声で話し声が聞こえてきた。

｢おめぇが！女にモテるわけねぇだろ！！｣
｢うるせぇよ！｣
｢おかげで土砂降りだ、バカ！｣
｢俺関係ねぇだろ！｣

何事かと思ってその場所を見ると、前回イザにぃに一瞬で負けた刈り上げとモヒカンの一派だった。

｢てめぇら……｣
『朝から最悪な顔見ることになった……イザにぃ、もう行こ』

イザにぃが｢ウン｣と言ったことを確認すると、私達は雨に当たらない場所に置いていたバブに跨ってエンジンを吹かせるとそのまま走り去った。

それから1週間ほどして、私達天竺一派は高校の中にある体育館で集まっていた。

｢ここも焦臭いな……｣
｢イザナさんとお嬢は知らないかも知んないんすけど、SWORDを仕切ってる九龍グループってのがいて、ソイツらが鬼邪高を燃やしたんです｣
『だから被害が大きくなったって事ね』

そんな話をしていると、突然学校中に放送が響き渡った。

«｢こんちは～……定時の鬼邪高キング村山で～す。全日の皆さん、お話があるのでちょっと聞いてください。君達は……何のために鬼邪高に来た？

勉強もしねぇでさ……何かと言っちゃ殴り合う、どうしようもねぇ生き物じゃん。卑怯な事せずさ、真正面からぶつかれよ！

喧嘩しか取り柄のない君たち、鬼邪高で何を学ぶ！！
拳ひとつで成り上がれ……まぁ、色々と先輩の俺たちはすまんね。

———という訳で……中庭に集合ー！！｣»

村山からそう呼び出された私達は、たまたま通り掛かったある教室に入ってベランダに出た。

隣にいたのは、またしてもモヒカンと刈り上げだったけれどそんなの関係なしに中庭に来た定時を見た。