金木犀の騎士はヒーロー飽和界へ (ページ4)

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3話からは、原作に合わせるために中3からの物語に入ります！

爆豪家にアリスが住み始めて今年で早くも11年の歳月が流れ、アリスと勝己と幼馴染の緑谷出久は同じ折寺中学校に通っていた。

一限のホームルームが始まってすぐに、担任が進路希望のプリントを持ってクラス全員に話し出した。

｢えー、今から進路希望のプリントを配るが……だいたい皆、ヒーロー志望だよね｣

アリスは目を瞑り、その場の様子とは反対に落ち着きを保っていた。

『(何故、普通に静かにホームルームを受けられないのでしょう……)はぁ……』

アリスが心の中でその気持ちを思いながらも声に出して溜息を着いていると、従弟である勝己が声を上げた。

｢おいおい、せんせー皆とか言ってんじゃねぇよ。俺はそんな没個性共と仲良く底辺になんざ行かねぇよ！｣
『(またあの子は……)』

勝己がそういった途端に、クラスメイトからのブーイングすらも雄英の名前を出して収めた。

｢模試じゃA判定！あのオールマイトをも超えて俺はプロヒーローとなり、必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ！｣

アリスもまた勝己と一緒のA判定のために、止めなくても大丈夫かと思っていたが、クラスメイトの騒ぎ声に同化して完全に空気になっていたその時、担任が余計なことを言った。

｢あー、確か緑谷と花咲も雄英志望だったな｣

幼い頃に勝己から一緒にヒーローを目指すと約束はしていて、賛同も得てはいた。

｢はぁぁぁ！？緑谷がぁ！？｣
｢花咲様はわかるけど、緑谷ァ！？｣
｢無理だろ！！｣

アリスはこの中学では、とても人気があってそれでいて、正式にファンクラブまでできているほどであった。

『皆さん、他者の夢を嘲笑うのはやめなさい』

クラスメイトがその一声に笑うのは止めたが、勝己はそうはいかなかった。