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アリスは整合騎士時代から愛用している甲冑と全く同じものを要請していた為に、しっくり来ると思っていた。
最後に鞄からいつも片時も離さなかった自身の神器でもある｢金木犀の剣｣を甲冑の剣を収める場所に付けると、数人しかいない女子生徒全員と共にグラウンドβにやって来た。
ベルクーリがアリスに目を向けると微かに微笑んでいた為に、アリスもベルクーリに対して笑い返した。
｢格好から入るってのも大切なことだぜ、少年少女！
自覚するのだ。今日から自分は……ヒーローなんだと！｣
｢うしっ……これから戦闘訓練の時間だ｣
｢先生！｣
その声にオールマイトとベルクーリが飯田の方に目を向けると、飯田は質問をしだした。
｢ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか？｣
｢いいや、もう2歩先に踏み込む。
敵退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪ヴィラン出現率は高いんだ｣
オールマイトはそう言うと、ベルクーリがその後に続けるようにして言った。
｢監 禁、軟禁、裏商売……このヒーロー飽和社会、真の賢しいヴィランは“
俺の場合だとそれ以外にも相棒である
そうベルクーリは言うと、指を口に添えて口笛を吹いた。
大きな風が吹くのと同時に、A組生徒の上に大きな影が降りてきてベルクーリの隣に着地した。
｢り、竜！？｣
『(あれは小父様の飛竜である星咬……)』
ベルクーリは星咬に手を添えると、話を続けた。
｢俺は確かに時を操るが、それは地上だけじゃねぇ……このヒーロー飽和社会、飛ぶことに長けた敵も多く存在する。
そういう時にもだが、コイツは昔からの俺の相棒だからな｣
その後、くじ引きでヒーローチームと敵チームに別れての戦闘訓練が始まり、アリスが引くとそこには黄色く星のマークがついていた。
｢この星のマークを引いた花咲少女には、後ほど戦ってみたいチームをもう一度くじで決めることになる｣
『分かりました』
そして戦闘訓練が始まる為に、ビルの中に入っていこうとすると後ろから大きな顔がアリスに擦り寄るようにやって来た。
『久しぶりですね、星咬……あの時は小父様と一緒に助けに来てくれてありがとう』
｢キュルルッ｣
ベルクーリはその様子を傍で見つめると、アリスの頭に手を乗せてビルに入るよう促した。
アリスがビルに入ったことを見届けた星咬は翼をはためかせ、グラウンドβの上を旋回していた。
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作者名：シフォンヌ | 作成日時：2022年11月17日 1時
