_ ページ28
_
桃side
「あ、いたいた。今日も早いね〜」
おはようと声をかければ、おはようございますと柔らかく微笑んだ
彼…北斗との出会いは偶然だったけど、
話していてしっくりくるし楽しいし落ち着く
まだ出会って1週間くらいだけど愚痴も言えるくらい仲良くなって来た
「もう聞いてよ、俺の恋人ったら最近この街に越して来たとかいう人の話ばっかするわけ」
「恋人さんはなんて？」
「すげー美形だとか、憂いのある目がいいとか。そんなのわざわざ俺の前で言うことなくない？」
「たしかに…余計なこと言う人っているよね」
最近はもっぱら俺の恋人の話ばかり
まあ単に俺が愚痴って北斗が聞いてくれるわけだけど
「北斗は？最近なんかあった？」
「最近…うーん、なんだろう」
顎に手を当てて考える仕草を見て、
北斗のような人を美形と言うんだろうなと思う
真っ黒な髪も暗い目も全部綺麗だなって
前にそれを言ったら、大我くんこそ綺麗だからなんてはぐらかされてしまったけど
東京での傷を癒しに来たなんて
そんなふうに北斗に説明したものの、俺は単に逃げて来ただけだ
考えている北斗を横目に、海を眺めながらそんなことを思う
「…我くん、大我くん」
「あぁ、ごめん。なに？」
「ううん、ぼーっとしてたみたいだから。いい海だよねここ」
「…ね」
いい海、なのかは正直分かんないけど
この大きくて青い海は俺の悩みとか弱さとか全部持っていってくれる気がする
「ねえ北斗、ひとつ聞いてもいい？」
「なに？」
きょろと俺の方を向いた黒目は、優しく目を細めた
まだ出会って1週間足らずなのにこんなに信頼しているような顔を向けられると、
北斗の人の良さが心配になる
「好きな場所と居なきゃいけない場所、どっちかしか選べないならどっちを選ぶ？」
こんな質問、赤の他人である北斗にするなんて馬鹿げてる
でも心のどこかで俺の選択を肯定してほしい気持ちもあった
この場所で樹と居続けるか、
東京で親の跡を継ぐか
重圧に押し潰されて逃げ込んだこの場所はいつしか好きでどうしようもない場所に変わってたから
「難しいね…まあでも俺は大我くんが決めたことが正しいと思う」
「それ答えになってないよ」
「いつでも大我くんの味方ってことだよ」
くしゃと北斗の頭に手を置けば、
気持ちよさそうに目を細めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふわ(プロフ) - 当然ぷりむら様のお話が好きな方もたくさん居られますしぷりむら様の大切なお話なのでご連絡させていただきました。複数回に分けてのコメント失礼しました (2021年6月14日 22時) (
レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - ぜひアイドル緑くんとファン黒くんのお話を書きたいのですが書いてもよろしいでしょうか？ (2021年6月14日 22時) (レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 私はそのお話を読んだことはありませんがすごく素敵な設定で私自身緑黒をメインに活動しているのもあって (2021年6月14日 22時) (レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 非常に気になりましてフォロワー様からぷりむら様のことを教えて頂きました。 (2021年6月14日 22時) (レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 初めまして。こんばんは。占ツク作者のふわと申します。先日私のフォロワー様からアイドルの緑くんとファンの黒くんのお話を書いているかと連絡が来まして私の方はそのようなお話は書いていないのですが (2021年6月14日 22時) (レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷりむら
| 作成日時：2021年2月23日 22時
