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「はぁはぁ、」
舞台に着くも辺りには人ばかり
…でも明らかに光って見える人がいた
「北斗、」
一歩、また一歩と会いたくて仕方なかった奴に近付く
少し煤のついた洋服に身を包んでいるのは北斗らしくない
いつも綺麗に磨かれた皺一つない服しか着てなかったじゃねえか
「北斗、北斗」
このまま俺が連れて行ったらもう綺麗な服なんて着せてやらないかもしれない
こんなに輝く目をさせられないかもしれない
「北斗！」
俺の声を聞き、遠くの北斗が振り向いた
「…樹！」
一気に目に涙を溜めた北斗が俺に向かって走ってくる
「樹！樹！！」
走り込むように俺の胸に飛び込んで来た
「痛えよお前、」
「…会いたかったよ、」
「お前本当にいいのか？」
「樹と居る時が一番幸せだった」
俺の和服が北斗の涙に濡れていく
濡れるのなんて嫌いだったのに北斗の流した涙でなら嬉しいなんて、
人って勝手なもんだよな
「おむらいすもなぽりたんも食わせてやれねえよ」
「うん」
「綺麗な洋服も着せてやれない」
「うん」
「狭くて小さくて壊れそうな汚いアパートで住むことになる」
「うん」
「それでもいいのか？…それが幸せか？」
「いい、それでも…っ、」
北斗がここまで言ってくれてるんだ
何を迷うことがあるんだよ、
「着いてこい、一緒に行こう」
「うん…っ、」
意気地のない俺はもう終わりにする
北斗の重みも俺が背負うから
「これ、ジェシーがくれて…」
そう言って見せて来たのは船の券
「とりあえず港行くぞ」
手を強く握る
抱きついていたのに手を掴めば最初のように赤く顔を染めた
「…早く慣れろよ」
「うん、」
あの別れた日の家までの道とおなじく一言も話さずに歩く
でも何故だか今回は少しも苦しい気持ちにならなかった
手から温かさと優しさが伝わってくる
「ねえ樹」
「ん？」
「俺本でも書こうかと思うんだ」
「良いんじゃねえか。俺は漁師でもやるか」
まだ見ぬ島での生活に想いを馳せる
この先もきっと困難はたくさんあるだろう
そんなの超えていけるかなんて分かんねえけど、
まあでもこの隣の笑顔を守れるなら何でもしてやる
「樹、好きだよ」
「…久しぶりに聞いたなそれ」
「樹は？」
「…きだよ、」
「え？」
「好きだよ」
ふふっ、
優しく笑った北斗を守ることが俺の使命なんだろう
fin
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ふわ(プロフ) - 当然ぷりむら様のお話が好きな方もたくさん居られますしぷりむら様の大切なお話なのでご連絡させていただきました。複数回に分けてのコメント失礼しました (2021年6月14日 22時) (
レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - ぜひアイドル緑くんとファン黒くんのお話を書きたいのですが書いてもよろしいでしょうか？ (2021年6月14日 22時) (レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 私はそのお話を読んだことはありませんがすごく素敵な設定で私自身緑黒をメインに活動しているのもあって (2021年6月14日 22時) (レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 非常に気になりましてフォロワー様からぷりむら様のことを教えて頂きました。 (2021年6月14日 22時) (レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 初めまして。こんばんは。占ツク作者のふわと申します。先日私のフォロワー様からアイドルの緑くんとファンの黒くんのお話を書いているかと連絡が来まして私の方はそのようなお話は書いていないのですが (2021年6月14日 22時) (レス) id: d3d6811ffb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷりむら
| 作成日時：2021年2月23日 22時
