混ぜたら何色？【完結】 (ページ9)

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「今日お昼から雨だから洗濯物お外に干さないほうがいいよ！」

「そうなの？ジェシーくんの天気予報は当たるからねぇ」

目が覚めるといつも園長先生に今日の天気を伝えに行くジェシー

北斗と俺とジェシーは同じ部屋で三人で布団を並べて寝ている

1番に起きる北斗は早々に朝ごはんの手伝いをして、

次に起きるジェシーは洗濯物を干す手伝い

「じゅりー！ごはんできたよー！」

俺を起こすのは北斗の役目

寝起きの悪い俺をいつもあの手この手で起こしてくれた

身体を揺する日もあれば、乗っかる日もある

本当に起きない時は一緒の布団に潜り込んでくすぐってくる

…まあこれは今も変わってないけど

「今日はお隣の畑のおじさんがいちご持ってきてくれるよ！」

「今日はあそこの本屋さんが絵本くれるよ！」

「…今日はいじめられるからお外行くのやめよう？」

ジェシーが今日起こることを言い始めたのは

俺らがこの園に来て3年、5歳になった頃だった

「なんでジェシーには今日のことがわかるの？」

いつだか北斗がジェシーに聞いていた

「わかんないけど、朝起きると頭に浮かぶんだ。それがほんとになるの」

「それってすごくね！」

ジェシーには今日起こることが分かる、

もっと先のことはまだ分かんないけど今日のことは分かる、

それをジェシーは秘密だよ、と教えてくれた

前に園長先生にそれを話したら、人に言っちゃダメって言われたらしい

今なら分かる

ジェシーの予知能力は本物だったし、それを悪用することもできるから

ただその頃の俺たちは今よりもっと浅はかで子供だった