混ぜたら何色？【完結】 (ページ37)

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番外編 3rd ページ37

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「じゅり、酔っ払った？」

「酔ってねぇよ、つかお前こそ飲み過ぎだろ」

ガヤガヤと煩い店内を見渡せば、

見知らぬサラリーマンと肩を組むジェシーがいた

「あいつも何やってんだよ」

「ジェシーたのしそうだね？」

クスクス笑う北斗は楽しそうにまたジョッキを手に取る

「お前ほんと飲み過ぎ」

「じゅりの意地悪、俺の酒！」

「ハイハイ」

酔った北斗は甘えるように俺に凭れ掛かり、そのまま左手を掴んだ

「じゅりの手って小さいよねえ」

「あ？」

「ほら、俺の手と比べてもこんなに！」

身長は北斗と変わらないのに何故だか俺の手は昔から小さくて

手を重ねて笑顔を向ける北斗に胸が苦しくなった

「たまにはいいね、外で誕生日も」

「…たまにでいいけどな」

「ジェシーがあんなに楽しそうで俺もうれしいよ」

手を重ねたまま、俺に凭れたまま話す北斗は

結局のところ俺とジェシーのことを何もわかっていないんだろう

「じゅりあったかくて寝そう、」

「寝んな、」

ほら、と新しい酒を渡せば嬉しそうに受け取って飲み干した

「お前イッキって…学生じゃねえんだから」

「ね、明日俺の胃荒れちゃうと思う。もうアラサーだもん」

アラサーという割にはツヤツヤした肌

老けたよねぇ、なんて言いながら髪をかき上げる仕草は

老けたというより艶っぽくなったという表現の方が正しい

「あ！ちょっと樹！北斗独り占め禁止～！」

店の真ん中でサラリーマンとダンスバトルを繰り広げていたジェシーは

俺に凭れる北斗を見て駆け寄ってくる

「ちょお前、ジョッキ溢すだろ」

「何も聞こえませんー、北斗とイチャイチャする樹の言葉なんて聞こえませんー」

「んふふ、聞こえませんー」

中のビールがジェシーの動きに合わせ揺れるから、

その手からジョッキを奪い取りテーブルに置いた

相当酒が回っているのか、北斗は訳もわからずジェシーの声を反復して

んふふ、えへへと楽しそうに笑っている

「可愛い！もう離さない！」

「俺もジェシーをはなさない！」

キャッキャッとハグし合う二人はまあ、楽しそうで

それならいいかなんて俺の甘い部分が顔を出す

出会って丁度20年、

まだまだ続いていきそうな二人との関係に

思わず俺も笑みが溢れた

fin