混ぜたら何色？【完結】 (ページ31)

今日:30 hit、昨日:14 hit、合計:127,585 hit

番外編 1st ページ31

・

「ほくとなに食べたいの？」

「うーん、ほくはねぇこれとこれとこれかなぁ」

「じゃあオレこれにする。ほくとにちょっとあげるね」

「いいの？ありがとう！」

「じゃあ俺はこれ！俺もほくとにちょっとあげる～」

「じゅりもジェシーも優しいねぇ」

これは俺らが小学生の頃の話

お年玉として貰った300円を握りしめ、三人で駄菓子屋に向かった

北斗は体が小さくて話すのもゆっくりで、

俺とジェシーは北斗を守るために生きてるみたいなもんだった

別に誰かに言われたわけでもないけど、

いつからか俺とジェシーは北斗を守るものとして認識していて、

でもまだそれは弟を可愛がるみたいなものだった

まあこの頃には、北斗と俺とジェシーが本当に同い年なのかわからないってことも知ってたから

体の小さい北斗を本当に弟のように感じてたんだけど

「ほらこれ食べな」

「じゅりにもこれあげる」

「ほくとこれも食べて～」

「ジェシーありがとう」

三人でいつもの公園のベンチに座る

並び順はいつも通り

北斗、俺、ジェシーの順

気付けば飯食う時も寝る時も風呂の中でも同じ並びだった

こんなに北斗を守ると言ってる俺らだけど、

別に北斗を真ん中に置くことはなかった

とにかく俺はいつも北斗の体温を右肩で感じるのが好きで、

ジェシーの体温を左肩で感じるのが好きだった