混ぜたら何色？【完結】 (ページ11)

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「はい、よろしくお願いします。こちらにはいつ来ていただいても大丈夫なので」

興奮しているジェシーは電話を終えた園長先生にどうなった？と食いついた

怖がっていた北斗も、ヒーローが来るのかなぁとワクワクしている

「けーさつは信じてくれたの？」

「…そうね、どうなんだろうね」

「信じるよ！ジェシーの話はほんとだもん！」

ジェシーの興奮がうつったのか、北斗まで鼻息出そうなくらい興奮している

でも俺は知っている

何かを言ったからって警察が必ず何かしてくれるわけじゃないこと

「この前ニュースで見たよ。ストーカーされてるってけーさつに相談したけど助けてもらえなかったって」

「ストーカー？」

「女の人が男の人に後をつけられて殺されたんだって」

そういうこともあるのよ、と園長先生は困った顔をした

警察は無敵じゃないし万能じゃない

そんなこと今の俺ならよく分かるけど、

5歳の俺はまだ理解しきってはいなかった

「…じゃあ今日バンバンされても助けに来てくれないの？」

またぎゅっと北斗が俺の手を握る

「おれの話、信じてもらえないの？」

ジェシーは園長先生に怯えた目を向けた

この時のおれはまだ子供だったから、園長先生に否定して貰えると思っていた

そんなことない、ジェシーの話を信じて警察は助けに来てくれる

この前のニュースは嘘だよって

「…さっき電話したら、巡回してくれるとは言ってたよ。でもね、遊びじゃないからこんな電話してこないでくださいって。そうも言われたわ。

三人には覚えておいて欲しい。嘘も本当も自分が何を信じるのかで変わるのよ。私はジェシーくんを信じる。今日は園から出ないでね」

園長先生は誰よりも冷静で大人で正しかった