wanna be together2 “red” ページ40
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side black
「北斗…最近なんか隠してない？」
「えっ、いや隠してないよ！」
「ふーん、」
びっくりした、ばれたかと思った…
ジェシーから働くのを止められてから数ヶ月
やっぱりただお世話になるわけにはいかないし、とスーパーでバイトを始めた
家から近いし、いつも買い物に行くところだから行ってても怪しまれないし、
そう思いながらも止められた手前、なかなか緊張しながら働いている
「ほくとぉ、このお菓子どうしたの？」
「ん？あ、あぁ買ったの！食べたくて！」
「でもこれそんな好きじゃないやつじゃない？」
「ぇ、と…最近好きになった！」
パートのおばさんたちに貰った大量のお菓子
ほくちゃん細いから心配になるのよ〜と、シフトに入るたびに持たされている
まさかジェシーに見つかると思わなかったからびっくりしたけど…
上手く誤魔化せたはず、
「あ、明日休みになったんだ〜どっか行こうか？」
「明日！？ごめん、用事ある…」
「何の用？一緒に行くよ」
「いや大丈夫大丈夫！一人で行くから！」
明日はバイトの日だ
ジェシーの仕事の時間に合わせてバイトをしてるのに、このままだとジェシーにばれちゃう
ソファに座りながら俺の顔を覗き込むジェシーに、冷や汗が止まらないけど
握られた手をぎゅっと握り返した
「明日は無理だけど、ジェシーの次の休みにはどっか行こ？」
「そうだね。北斗はどこ行きたい？」
話を逸らすためにジェシーの顔を見返して話したんだけど、
ジェシーの俺を見る顔があまりにも優しくて、甘くて、
顔から火が出そうなくらい恥ずかしい
「ジェシーが行きたいとこならどこでもいいよ…」
「北斗の隣にいれるなら俺もどこでも楽しいよ」
ちゅ、
そんな甘い顔しないで、
そんな甘いキスもしないで、
バクバクと煩い心臓を空いている右手で抑える
「掴むところはそこじゃないでしょ、」
そう言って右手すらジェシーに掴まれて、
そのままジェシーの背中へと回される
数ヶ月前までただの捨て犬だったのに、
誰も味方なんていなくて苦しかったのに、
そんなの何年も前のことみたいに今はとっても満たされている
ジェシーの隣がまるで俺の居場所だったみたい
「ほらおいで」
「重いよ、」
「…好きだよ」
甘い
甘くて、熱くて、
こんな幸せ、いいのだろうか
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作者名：ぷりむら
| 作成日時：2020年9月3日 7時
