you know I love u? (ページ4)

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「あーお腹痛い、完敗じゃん」

読書はいつものごとくフリでしかなかったらしい

北斗は腹を押さえながら、堪えきれないとでも言うようにハハと高笑いをした

「…アンタ面白いね。こいつの貼り付けた顔、俺も嫌いなの」

俺以外の前で声を発するなんて何年振りだよ、

そんな言葉すら出ない俺を置いて北斗はどんどん転校生に話しかける

「アンタ名前は？」

「ジェシー。さっき聞いてなかった？」

「…あぁ、うん。よろしくジェシー。俺は北斗で、こいつは樹。こいつが本当に笑うのは俺の前でだけなんだよ」

そう言って北斗が俺の顔を指さす

クラスからざわめきが聞こえる

転校生…

いやお前のことはちゃんと名前で覚えるよ、ジェシー

この学校で北斗と話した俺以外の唯一の人間だから

「お前何でジェシーとは話したんだよ」

「何でだろうねぇ」

「お前はぐらかすなよ」

「…樹が笑うかなと思ったから、かなー」

「は？」

自転車の後ろに乗せて帰り道を走る

行きと同じように看板にでかく書かれた

“自転車の二人乗り運転は法律で禁止されています”

帰りも同じようにその看板を無視して走る

北斗は俺の腰に強く手を回したままで、

俺はその熱を感じたまま

結局あれ以上北斗は何も話さなくて

樹が笑うかなと思ったってなんだよ、

笑ってんだろ少なくともお前の前では

そんな風に思うのに、北斗から見える俺は違うとでも言うのかよ

考えながら布団に入っても案の定眠れるはずもない

「何その顔、ブスじゃない？」

「開口一番がそれかお前」

朝から北斗にブス呼ばわりされることとなった

いつもより楽しそうに見える北斗に若干苛立ちながら学校に着けば、

下駄箱付近にでかい奴が見えた

「北斗！おはよう！」

「ジェシー、」

隣にいる俺は見えていないのか北斗にだけ向けて手を振るジェシー

おい、俺もいるからな？

これまでの北斗の気持ちが分かるようで、この変な状況に少し笑みが溢れた

「…その顔だよ！」

突然俺の元へと走ってきたジェシーは俺の両手を包みそう言う

…でかいハーフ顔のやつが走って寄ってきたら怖いんだけど

そんな俺の気持ちがわかったのか、隣の北斗が笑うのが見えた

「今笑った！その顔が見たかった！」

「…あっそ、」

駄目だ、なんかジェシーといると俺らしくない

そう思って離れればいつものように名前も知らない奴らに囲まれた