you know I love u? (ページ16)

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only one “blue” ページ16

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side blue

「なあ北斗、お前最近香水変えた？」

「え？変えてないけど」

「マジ？爽やか系から甘い香りに変えてない？」

「…変えてないよ。いつもと同じやつ」

そんな話をしたのが3日前

俺が纏うバニラとも違う圧倒的に甘い匂い

その匂いを漂わせているのに絶対に首を縦に振らなかった北斗

…その理由が分かってしまった

珍しく楽屋に早めに着いた俺

これなら一番乗りかもしれない

そう思いながら楽屋のドアノブに手を掛けると、中から漂う甘すぎる香り

「は？」

昔同じ匂いをさせる女がいたことを思い出した

…その女がどんな状態だったかも

まさか、そんなわけない

というかどうして俺らの楽屋に？

恐る恐る楽屋の扉を開ける

「…はぁ、っ」

「ほ、くと？」

顔を赤くしてソファに横たわる北斗

そこからはまるで蜜をこぼす花のように甘い香りがする

この香りはヤバい

脳から強い信号を感じて急いで手で鼻を覆う

「ごめ、樹…今日の取材無理、かも…っ」

まだ意識はあるのか真っ赤な顔で訴えてくる

鼻を塞いだとはいえ視覚から感じる北斗に脳が沸騰しそうなほど熱い

「わかった、とりあえずなんとかするから。お前…薬は？」

「飲んだんだけど…っ、何でかこうなっちゃって…ヒートまだ、なのに」

“ヒート”

それはオメガだけの症状、のはず

え？なんで北斗に？

頭の中に？だらけで俺も正直よく分からん、

「とりあえずお前、これ被っとけ。…正直俺も、この匂いやばいんだけど…っ」

「ご、めん…っはぁ、でももうっ、」

甘い匂いがぷんぷんする北斗

もう無理だ、この匂いは俺の脳を破壊していく

「なんで…っ、これまでこんなことなかったぁ、のにっ」

「お前いま俺の香水と同じ匂いするよ…しかも首だけじゃなくてどこ嗅いでも、」

すんすん、っと鼻を寄せるとくすぐったそうに身を捩る

このまま可愛い北斗を眺めていたいけど、扉の向こうが騒がしくなってきた

声からするに、ジェシーと慎太郎か…？

2人ともαだ、この匂いに反応するに決まってる

こんな可愛い俺の獲物、誰にも見せてやりたくない

「…じゅ、りっ、あついよぉ、、」

あーあ、もう完全ヒートじゃん

なんで北斗がαだと偽っていたのかとか、

どうして突然ヒートが来たのかとか、

まあ聞きたいことは山ほどあるけど

今はとりあえずこの可愛い子を隠しておきますか、