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「そうだ！北斗、今日の夜空いてる？」
「ん？空いてるけど？」
「美味しい屋台見つけたんだ！よかったら夜一緒に食べない？」
昨日の夜、こーちから俺にも連絡があった。
『しばらく家に帰れなさそう。北斗を頼んだ！』
泣いた顔のスタンプ付きで送られてきた文面がこーちっぽくて、笑ってしまう。
『あ、もちろん北斗に手出しすぎるなよ？』
…しっかり注意喚起までしてくるあたり、こーちは用意周到な人間だ。
「屋台…それって何屋さん？」
「おでん！今日も寒いって天気予報で言ってたから！」
それを聞いた北斗はなぜか耳を少し赤く染めて、
「そうだね。今日、寒いよね」
と呟いた。
じゃあね！と北斗を店まで送り届け、俺が向かったのは。
「…ジェシーさん、」
「ども、」
大我のところ。
制服に身を包んだ彼は、本当に警察官だったみたいだ。
こんなに色白で金髪で細身の警察官なんて見たことないけど、なんてのは言わないことにする。
「昨日のことですよね？」
「そうです。昨日のことが聞きたくて来ました。
…大我が見たっていう夢のこと」
コーヒーどうぞ、と渡されたのは自販機の缶コーヒー。
「ここカフェとかないから…」
「あぁ、それは全然。で、夢だけど」
「最初に見たのは1週間前…くらいかな。3日連続で同じ夢を見て、所詮夢だなんて分かってたけど怖くて」
大我の手に力が入り、缶がパキッと変な音を立てた。
「俺を呼んだのは？」
「夢で事件に遭ってたのは北斗で、何でか分からないけどジェシーさんを呼ばなきゃって思ったんだよ」
何でかなんて言われてしまえばもう何も聞けない。
「予知夢なんてさ、馬鹿げてるってことはわかってるけど。でもやっぱり不安だったし…だからジェシーさんを連れて行ってよかった」
…馬鹿げてる。
確かに、普通ならそう思うだろう。
ただ俺は。
その存在を自分でもわかってしまっているから。
「馬鹿げてるなんて思わないよ。…予知夢、俺も見るから」
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作者名：ぷりむら
| 作成日時：2020年9月2日 20時
