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黒side
ピロン♪
スマホの通知音で目が覚めた。
今日もいつもと同じように夢を記録する。
“夜 おでん 手を繋ぐ”
そして、“ジェシー”
いつかは分からないけど、ジェシー…と手を繋ぐらしい。
おでんを食べた後?なのか、視界にはおでんの屋台が見えた。
「あ、そうだった」
すっかりスマホの通知で起きたことを忘れていた。
スマホを開けば、
おはよう、北斗。よく眠れた?の文字
「こーちか…ってなんで俺ガッカリしてんの、」
昨夜は店の片付けに追われたらしく、帰宅しなかったこーち。
つい最近まで1人が普通だったのに、今はこーちのいないこの家が広く寂しいものみたい。
「ぐっすり眠れた、と」
起き上がらずに返信すれば、またすぐピロン♪と音が鳴った。
「こーち返信早っ、」
普段おじいちゃんみたいな動き方するのに、文字打つのは早いんだなぁと感心していると
画面に表示されたのは別の人の名前。
「ジェシー…」
未だに呼び慣れない、ジェシーという名前。
くん、と付けないだけでこんなにくすぐったくなるなんて知らなかった。
『おはよう!』
たった5文字の言葉に元気が出るのを感じる。
『おはよう』
なんの変哲もない返信だけど、なんて返そうか2分は悩んでしまった。
隣の家にいるはずのジェシーとこんなやりとりをしているのが面白くて、口角が上がっているのを感じる。
『今日はいい天気だね。一緒に職場まで行かない?』
ジェシーからの返信は思いがけないお誘いで。
いい天気?と思って外を見れば、なかなかの曇り空だったけど。
きっとこれは、彼なりの遠回しの優しさ。
俺を1人にしないように、とかなんとかこーちが言ったんだろうなぁ。
ほんとあいつ過保護なんだから。
『うん。一緒に行こっか』
秒速で既読が付いたかと思えば、ヤッター!と喜ぶシマウマのスタンプが送られてきた。
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作者名:ぷりむら | 作成日時:2020年9月2日 20時