検索窓
今日:44 hit、昨日:9 hit、合計:187,860 hit

42 ページ44





黒side



ピロン♪



スマホの通知音で目が覚めた。



今日もいつもと同じように夢を記録する。



“夜 おでん 手を繋ぐ”


そして、“ジェシー”




いつかは分からないけど、ジェシー…と手を繋ぐらしい。


おでんを食べた後?なのか、視界にはおでんの屋台が見えた。





「あ、そうだった」



すっかりスマホの通知で起きたことを忘れていた。


スマホを開けば、

おはよう、北斗。よく眠れた?の文字




「こーちか…ってなんで俺ガッカリしてんの、」




昨夜は店の片付けに追われたらしく、帰宅しなかったこーち。


つい最近まで1人が普通だったのに、今はこーちのいないこの家が広く寂しいものみたい。




「ぐっすり眠れた、と」



起き上がらずに返信すれば、またすぐピロン♪と音が鳴った。



「こーち返信早っ、」


普段おじいちゃんみたいな動き方するのに、文字打つのは早いんだなぁと感心していると


画面に表示されたのは別の人の名前。




「ジェシー…」


未だに呼び慣れない、ジェシーという名前。


くん、と付けないだけでこんなにくすぐったくなるなんて知らなかった。




『おはよう!』



たった5文字の言葉に元気が出るのを感じる。



『おはよう』



なんの変哲もない返信だけど、なんて返そうか2分は悩んでしまった。


隣の家にいるはずのジェシーとこんなやりとりをしているのが面白くて、口角が上がっているのを感じる。




『今日はいい天気だね。一緒に職場まで行かない?』



ジェシーからの返信は思いがけないお誘いで。


いい天気?と思って外を見れば、なかなかの曇り空だったけど。


きっとこれは、彼なりの遠回しの優しさ。




俺を1人にしないように、とかなんとかこーちが言ったんだろうなぁ。


ほんとあいつ過保護なんだから。





『うん。一緒に行こっか』



秒速で既読が付いたかと思えば、ヤッター!と喜ぶシマウマのスタンプが送られてきた。

43→←41



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (220 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
570人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぷりむら | 作成日時:2020年9月2日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。