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赤side


大我から聞かされた話は衝撃的なもので。


まさか、本当に予知夢を見ていたなんて。

そんな衝撃と共に、もし彼が今日来なければどうなっていたのか。


そんな恐ろしい未来を知る。





「…ん……」


ソファに横にされた北斗さんが身じろぐ。



もし、その悪夢の通りになっていたら。



彼はもう目を醒さなかったかもしれない。


泣きながら警察に話す樹も、その動きを止めていたかもしれない。






「ジェシーさんに来てもらって、よかった。貴方が変えてくれた」



俺は何もしてないけど、満足そうに笑った大我を見ると否定はしづらくて。





「どうして、悪夢で見たってだけで助けようと思った?」



例えば俺と北斗さんのように。


家が隣の顔見知りなら、助ける理由もまだ頷ける。




しかし会ったとはいえたった1回。


そこまでする義理もないと思う。






「…警察官だから。ってことにしておいてください」


そう言って笑った大我は、北斗さんに視線を移した。


「綺麗な人。純粋で何も知らなそうで」


その言葉で確信する。




あぁ、やっぱり。


やっぱり北斗さんだから、助けたのか。




「ジェシーさんは俺も救われた場で、北斗と一緒にいたから。だから今日貴方と来るのがいいかなって」


視線は動かさず、ぽつりと呟く。

 
「夢では先輩と来てたんですけどね。それだとどうにも出来なかったので」



今にも北斗さんに伸ばしそうなその手を掴んだ。



「…!」


「北斗さんは、だめです」


「…取らないよ、と言いたいところだけど。まだ自分でも分からないんだ。
だから、今はまだ許してね」


同い年であるはずなのに余裕綽々なその態度が羨ましい。



北斗さんに、ジェシーくんと、呼ばれるだけで舞い上がる俺とは大違いみたいだ。

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作者名:ぷりむら | 作成日時:2020年9月2日 20時

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