Sleeping Baby (ページ37)

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赤side

慎太郎に支えられながらも泣き崩れそうになる樹に擦り寄る北斗さん。

穏やかに微笑むその顔は、どうしてなんだろう。

樹を恨むこともあるだろうに、そんな素振りは少し見えなくて。

でも、北斗さんなら樹のこと責めないだろうって勝手に思ってたんだよな。

俺の見てきた北斗さんは、そういう人だったから。

俺の好きな北斗さんは、そういう人だったから。

「…けほっ、」

一つ咳をしたかと思えば目を閉じ崩れ落ちた。

「北斗さん！」

「大丈夫…寝てるだけ」

そうこーちに言われて、彼が気丈に振る舞っていたことを思い知る。

「…北斗はさ、我慢強いけど嫌なものはちゃんと跳ね除けるし言いたいことは言うんだよ。

だからね君を責めなかったのは、北斗が本気で君が悪いと思わなかったからだと思うんだ」

だから自分を責めないこと！

そう言って樹の頭を撫でながら笑ったこーちは、やっぱり北斗さんの友達だった。

「北斗、」

カラン、と扉の開く音と共に駆け寄る大我。

後ろに着いてきたのは駆けつけた警察官の一人のようだ。

「少々お話をお伺いしたいんですが…」

泣き続ける樹にそう言うと、慎太郎は自分もついていくと言って樹の肩を抱いたまま奥の席へと向かった。

「…大我、聞きたいことがあるんだ」

「なに？」

寝ている北斗さんの髪を撫でる大我は、俺の方を見ずに返事をした。

「あー、っと俺片付けしてくるから北斗よろしくね？」

何かを察したらしいこーちは、

北斗さんの頭を一撫でするとキッチンの奥に消えた。