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赤side
けたたましいサイレンの音が聞こえ、スマホを手にした大我を見た。
「君はきっと未成年だから少し罪が軽いかもしれないけど…君のしたことは立派な殺人未遂だ」
彼女を真っ直ぐ見て言う大我からは、さっきまでの可憐さなんて消えていた。
「京本さん、本当に事件なんて…」
店に踏み込んできた警察官はこの状況を見て、急いで手錠を取り出した。
大我は手錠をかけ、彼女を拘束した。
「現行犯だ。…クスリの検査も受けようね」
俺は彼女を警察官に渡すと、すぐに北斗さんのもとに駆け寄った。
「北斗さん、北斗さんっ!」
「…だいじょぶ、それよりあの子は…?」
ハッとして樹を見ると、
「…ごめんなさい」
と小さく泣く樹がいた。
「俺っ、俺のせいで…」
「樹くんのせいじゃないよ、」
間髪入れずに言った北斗さんは、きっと俺らの話が聞こえていたんだろう。
あんな大きな声で話してたんだ、聞こえていたって不思議じゃない。
彼女は樹のストーカーで、きっと盗聴でもしていて。
北斗さんを口説いた樹の言葉を聞いて逆上でもしたんだろうか。
明らかに自分に向けられた殺意と敵意。
それにも関わらず、北斗さんは樹を見て優しく微笑んだ。
「樹くんは何も悪くない。気にすることなんて、何一つ無いんだよ」
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作者名:ぷりむら | 作成日時:2020年9月2日 20時