Sleeping Baby (ページ33)

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「てかジェシーいるならちょうどよかった！」

樹は俺らのテーブルへと向かってきた。

「ちょっと相談したいことあってさ。あ、こんにちは」

俺の向かいに座る大我に気付きまた目を輝かせ始めた樹を見て、

「この人も男ね？」

と一応釘を刺しておく。

「人を好きになる時に性別なんて何も意味ないよね」

そう言って笑う樹を見て、

「それには同感だな」

大我は優しく微笑んだ。

「で？何どうしたの」

「あ、そうそう。実はね、」

お水どうぞ～と慎太郎は水を俺らのテーブルに置き、当然のように自分も席についた。

樹も座り、大我の隣に樹、俺の隣に慎太郎という図に。

おいおいお前は仕事中じゃなかったのか？という疑問は置いとくことにする。

樹が話したのは、ストーカーに悩んでいるということだった。

2週間前電車で具合の悪そうな女の子を助けたらしい。

そこからずっとつけられているとか。

「学校いても歩いててもいつでも視線を感じるんだよ、」

「視線だけ？ほんとに見られてるかわかんないの？」

「いや、こないだは家に手紙入ってたし下駄箱には大量のチョコとか…あ、どこから知ったのかわかんないけど俺のケータイに留守電も入ってて、“なんで無視するの”って」

もう俺怖くて怖くて！！！

そういう樹は今にも泣きそうだった。

「警察には話した？」

「ううん、だってあの子だっていう証拠はないし…俺が見ただけだから」

大我が警察官だと知らない慎太郎が樹に聞くと、警察も信用ならないしと失礼なことを言う。

「おい！そんなことないだろ！」

「あるよ。警察は動いてくれないって。俺の姉さんの時だってそうだったから」

樹の言う姉さんは樹のお兄さんの奥さんで、ストーカーに悩まされて家に引きこもるようになってしまったらしい。

「………」

この話を聞いても微動だにせず、何も発しない大我に疑問を覚える。

もしかして気を悪くした？

話を振ろうとした時、またカラン、と扉の開く音がした。