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赤side
やばい、これはやばい。
トイレから戻ると北斗さんが楽しそうに大我と話している。
俺もカッコいいとかよく言われる方だけど、
この2人の綺麗さは格別だ。
「ジェシーやばいんじゃない？」
ニヤニヤした慎太郎が北斗さんを指さす。
「あの王子様に取られちゃったりして〜」
「うるさいな！早く仕事しろよ！」
不安を言い当てられ、肩にパンチを喰らわす。
いてぇよ〜とか言ってるけど痛くしてないし。
「あ、おかえり」
「おしぼりもう１ついる？」
自分の席に戻っただけなのになんだか居心地が悪い。
「仲良くなったんですね？」
「大我、絵が上手なの。ほら！」
嫉妬の匂いがぷんぷんする俺の言葉に素直に返す北斗さん。
キラキラしたその目が可愛い。
北斗さんが見せてくれたのは、ペーパーナプキンに書かれたアニメのキャラクター。
「かわいいよね、すごい上手だし」
「こんなことで北斗が喜んでくれるならいくらでも書くよ」
え、待って待って。
今、“北斗”って呼んだ？
え、てか待って。
北斗さん“大我”って呼んだ？
思考がショートする。
北斗さんと出会ってから、季節は冬から春に代わった。
その期間を過ごしたにも関わらず、まだ“さん”付けのまま。
北斗さんが俺を呼ぶのも、“ジェシーくん”のままだ。
北斗さんはこーちに呼ばれ、席を離れていった。
「大我は、人と話すのが上手だね」
「そうかな…いつもは人見知り酷くて話せないんだけど、ジェシーさんと北斗は話しやすいかも。同い年だからかな？」
そう、俺ら3人はたまたま全員同い年。
でもだからと言って俺は簡単に北斗さんを呼び捨てできてない。
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作者名：ぷりむら
| 作成日時：2020年9月2日 20時
